アゴラ編集部の8/12付けアゴラ記事「『トラフ脳』がトレンド入り:われわれはまた同じ過ちを繰り返すのか?」へのコメントです。
日本人に何かをさせたいとき「皆さんそうされてます」というのが効果的だという話をどこかで(ジョークだったかな?)読んだ記憶がありますが、そういうところは確かにあるのですね。
つまり、他の人たちが飲料水の備蓄に走ると、自分もしなくちゃと考える。その結果、あっという間にスーパーの飲料水の棚が空になる。ばかげた話です。
でもこれって、逆の立場も同じなのであって、「トラフ脳」もちょっといただけない。コロナ騒動でも、マスクを他人に強制するのはどうかと思うところがあるけど、全員しないというのも別のサイドの極端。今は、第11波がピークですから、ハイリスクな人はマスクした方が良いと思うのですけどね。
民主主義も、市場経済も、右から左まで、幅広い感覚の人が分布していることが前提なのですね。全員が同じ行動をしてしまうと、この手の制度は機能しません。
これは我が国に限りません。共感で動く人が多い現代の問題でもあるのでしょう。ポール・ヴィリリオは彼の著「電脳世界・最悪のシナリオへの対応」の中で次のように語ります。これはテレビの問題を指摘したものですが、ショートメッセージが幅を利かす今日のネットも、同じ問題を抱えていると言えるでしょう。
リアルタイムと世界的現在はテレビ視聴者に、既に操作の次元にあるような反射的行動を要求します。リアル・タイムの圧政はテレビ視聴者の隷属を意味します。民主主義はその時間性において脅かされています。
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