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配当課税のあるべき姿やいかに

アゴラ編集部の9/4付けアゴラ記事「石破茂氏が金融所得課税強化に意欲を示してまたも撤回するはめに」へのコメントです。


法人が受け取った配当金は「益金不算入」、つまりこの分の収益に対しては法人税を払わなくてよいのですが、個人の場合は受け取った配当にがっちり税金が課せられている。個人と法人とで異なる扱いとなることは公平さの面で問題があります。

では、法人の受け取り配当を益金不算入の対象外とするとどうなるかといえば、子会社などをつくったときに、子会社の利益に子会社側で法人税がかかり、税引き後の利益を株主である親会社に配当すると、そこにも税金がかかってしまう。二重課税となるのですね。個人は現在も二重課税なのだが。

ならばどうすれば良いか。一つの解は、個人の受取配当も非課税とすることですけど、これをやると、国の税収が減少するだけでなく、配当に縁のない人たちから怨嗟の声が上がり、そんなことをする政治家が落選してしまう。

となれば、もう一つの解、すなわち、企業が支払った配当分を損金算入すればよいのですね。まあ、企業にしてみれば、資本金に配当するのも、借入金に利息を支払うのも、どちらも同じような話ですから、支払利息を損金に算入するなら、支払った配当金も損金に算入することもあながち不自然でもありません。この場合、法人の受取配当の益金不算入は廃止しなくてはいけませんが。

配当を損金算入すると致しますと、企業は配当金を増やすことで法人税を節約できる。国の法人税収入は減ることになりますが、受け取った側で税金を払いますので、丸々の損にはならない。そして、配当が増えると、利回りが上がり、株価が上がる。景気も良くなれば、貯蓄から投資への流れも後押しする、良いことずくめの政策のように思えるのですが。


(9/5:追記しました。)

これ、ひょっとするとうまい話になるかもしれませんね。

と、言いますのは、外国人や外国法人への支払い配当を損金に算入すると、単なる課税逃れとなってしまう恐れがある。だから、損金算入できるのは、国内の個人と国内法人に支払った配当のみとする必要があります。

で、国内の個人と国内の法人をいかにして識別するかといいますと、マイナンバーという、うまい手がある。つまり、マイナンバーに紐づけられた国内個人及び法人口座への配当金支払いのみを損金算入とすればよい。

これ、所得の把握もばっちりで、マイナンバーと口座を紐づけする、一つの動機にもなる。ひょっとすると、うまい話ではないでしょうか。

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