篠田英朗氏の9/14付けアゴラ記事「『均衡』について:ミアシャイマーとキッシンジャー」へのコメントです。
西側諸国にとっての宇露戦争の意味は、ウクライナとロシアとの領土の取り合いということ以上に、ロシアを強国の座から引きずり下ろす千載一遇の機会がやってきた、ということではないかと思います。
2024年のロシアのGDPは、米国の1/10程度に過ぎず、日本と比べても半分強しかない。そんな経済小国であるにもかかわらず、核兵器の保有数では米国とほぼ同数なのですね。
失うものが少なく、相手に失わせる能力に優れた国は、北朝鮮同様(以上?)に危険性の高い国であり、その攻撃力を削ぐことができれば世界の安定に寄与するところ大であることは言うまでもありません。
ここは、わずかな可能性であるやもしれませんが、ロシアの完全敗北がもしあれば、そして、ウクライナに対する賠償金を支払わせることができれば、国際的な融資と引き換えに、核兵器の放棄を求めることも、あるいはできるかもしれない。西側諸国のウクライナ支援の裏には、そうした思いもあったのではないでしょうか。日本にしてみれば、ついでに北方領土の返還もなればうれしい話なのですが。
ウクライナのような小国がロシアのような大国に勝った例もないことはない。日露戦争がそうでしたし、ベトナム戦争でも実質米国が敗北している。その裏には、大国側の国内事情がある。今回のロシアにも国内の乱れが生じれば先行きはわからない。ウクライナや西側も、これを考えている気配も見られます。まあ、成功確率が低いことは、織り込み済みなのでしょうけど。
がんばれウクライナ