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アジア版NATOをどう考えるか

古森義久氏の10/6付けアゴラ記事「米側が苦笑した石破新首相のアジア版NATO案」へのコメントです。


こんな非現実的な構想(=アジア版NATO)を実際に提起して、国際的にネガティブな反応に怯えたかのようにその案を引っ込め始めた石破新首相、そんな人物に国家の運命を委ねることに深刻な不安がある。

アジア版NATOは、石破氏が総理に就任したら、さっと、ひっこめるべき構想でしょう。これに中国が加盟することが論外であることは最初からあたりまえですけど、台湾防衛がその大きな目的であるとなりますと、何を考えているのかさっぱりわかりません。

第一に、日本は台湾を独立国家として認めるということでしょうか。その場合、中国とは国交断絶となることを覚悟しておかなくてはいけない。これに伴って生じるであろう経済面での大変動にどう対処するというのでしょうか。第二に、日本は独立国台湾を防衛する義務を負うということでしょうか。中国による台湾進攻の可能性は、無視できるほどに低いものではないのですね。

この手の話は、在野の評論家なり研究者なりが考えるなら無害で、かつての石破氏が在野に近い立場に置かれていた(つまり一国の政策立案からは距離を置いていた)ことも事実ですから、評論家に近い立場にある。総裁候補としての石破氏であっても、総裁に選ばれる可能性がほとんどないと自覚しておれば、同じ議論も可能なのですね。

これは、非現実的な理想を述べて与党を批判する野党(政権交代の可能性少なしと自覚)と同じ立場ですから、それ自体は害が少ない。問題は、政権の座についてどうするかで、この状況変化に伴って、態度を変えるか変えないかが最大のポイントです。石破総理がこの前者であるならば、さほどの問題もなしというところではないでしょうか。

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