コンテンツへスキップ

年収の壁は制度前提の崩れから

池田信夫氏の11/1付けアゴラ記事「『年収の壁』って何?」へのコメントです。


特に主婦の場合は、130万円以下だと保険に加入しなくても、夫が厚生年金保険料を払っていると妻も国民年金を受け取れる第3号被保険者という特典があるので、パートの給料を130万円以下におさえようとする人が多い。

このような制度になっている意味は、「扶養家族の多い人は、それなりに生活が大変なので、税金も安くするし、年金保険料の負担も軽減しましょう」、という趣旨なのでしょう。

でも、専業主婦というのは、相当なぜいたくなのではないかな? 夫に十分な稼ぎがなければ、こんなことはやっていられない。その結果、妻も働こうとするといろいろと不利な扱いを受ける。

これは、妻は家を守るといった、古い家族のあり方を前提にした制度で、現在はすでに、男女とも働く人が多いですから、制度の前提が崩れている。逆累進課税的制度に堕ちてしまっているのではないかな?

結局のところ、基礎控除をどうするといった小手先の対応ではなく、配偶者控除という制度そのものから、第3号被保険者という制度、あるいは池田氏の主張される負の所得税と言ったところまでを含め、総合的な議論が必要な時期なのではないでしょうか。まあ、短期的には小手先の対応で、税収不足は我慢するとしても、これに並行して本質的な対応も考えていかなくてはいけません。

1 thoughts on “年収の壁は制度前提の崩れから

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です