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インフレ要因に応じた金利操作

池田信夫氏の2/21付けアゴラ記事「インフレが加速しているとき、バラマキ減税をやってはいけない」へのコメントです。


以下の二つの引用部は、矛盾していませんか?

企業は金利をコストに転嫁して、さらにインフレが進む。

でも財政赤字が増えると消費が拡大してインフレが加速するので、まず利上げでインフレを抑制することが大事だ、というのが歴史の教訓です。

物価の上昇には、供給側に原因がある場合と、需要側に原因がある場合があります。景気が良くて、消費者の使えるお金が増えれば、これに伴って消費支出も増加し、物価が上がる。これが需要側を原因とする物価上昇で、これを押さえるためには、景気を冷やす必要があり、金利を上げることが効果的なのですね。これが教科書的なインフレ抑制手段で、上の2番目の引用部がこれにあたります。

一方、生産コストの上昇など、供給側に原因がある場合には、金利が上がるとコストが上がり、商品価格が増加する、上の1番目の引用のメカニズムが働きます。また、金利が上がると生産能力の拡大も抑制され、供給増による物価の下落もあまり期待できないことになります。

で、現状はどちらかといえば、後者であるわけですから、安易に金利を上げてはいけない。そもそも物価の上昇は悪いことばかりではなく、国内の生産者にとってはウエルカム、生産量を拡大しようというインセンティブが働きます。「ないんだったらつくればいいのよ!」、涼宮ハルヒの名言通りです。

1 thoughts on “インフレ要因に応じた金利操作

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