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ドジ踏んじゃった?トランプ氏

池田信夫氏の3/13付けアゴラ記事「トランプの関税戦争を指南するスティーブン・ミランの支離滅裂な理論」へのコメントです。


たしかに、トランプ氏の政策は矛盾しております。ごちそうを食べてぬくぬくとしておれば、筋肉質の素晴らしい肉体に改造できる、という人がいたとすると、こいつは詐欺師だと分かるのですが、経済に関してそのあたりがよくわかっていない人が多いのですね。

1960年以降の日本が何故に20年後には「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」などといわれるようになったか、その重要なポイントは二つあったのですね。それも、「危機」と呼ばれるような時代を経験したことが、その後の日本の強さにつながりました。

第一は、1960年6月,貿易為替自由化3カ年計画に始まる「貿易自由化」で、当時の我が国の産業は、自動車にせよ、電機にせよ、町工場に毛の生えたようなもので、GE、GMに象徴される米国の巨大産業の前には、なすすべもなく消滅すると思われていたのですね。ところがこの危機を、徹底した生産合理化で乗り切った。いわゆるQC活動、小集団活動などもその産物でした。

第二の危機が1970年代のオイルショックで、エネルギー資源をもたないわが国の先行きが困難視された。この時は、徹底した省エネルギー化が進み、これが逆に、エネルギーコストの高騰に悩まされた世界市場に受け入れられました。この時同時に発生した「環境問題」でも、我が国は世界に先んじて問題が深刻化し、その解決も世界に先んじてできていた。

厳しい環境が産業界を強くする一方で、我が国が世界に後れを取った産業もあったのですが、これらは手厚い保護のもとにありました。電話会社と御三家に代表される情報通信業やエネルギー産業、金融業などなどがその代表的存在といえるでしょう。いま米国に問われているのは、そのどちらの道を選ぶか、なのですが、どうやらトランプ氏、ドジ踏んじゃった、かな?

1 thoughts on “ドジ踏んじゃった?トランプ氏

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