永江一石氏の5/10付けアゴラ記事「社会保障を削減しないで消費税減税した時の日本の寿命」へのコメントです。
まあ、なんと言いますか、貧乏人の発想と言いますか、一億総貧乏人化している、ということのように思えるのは、私だけだろうか。まあ、一億総貧乏人化しているなら、他の人が気づかないのも、無理はないのだが。
この大事なポイントは何のことはない、豊かな暮らしをしたければ、稼ぐこと。これにつきます。稼ぐといっても、盗人稼業で稼ぐのでは駄目で、きちんと価値を生み出して稼ぐこと。安価な原料に、知恵と労働時間をかけて、高価な製品を生み出す。それを妥当な価格で商いすれば利益が出て、豊かな生活もできるというものなのですね。
これを、他人のポケットのお金を自分のポケットに移すことを考え始めますと、たしかに、最初の似た考えをする人が少ない間は、効率的に稼げるかもしれないのですが、みんなが同じように考え出しますと、トータルの利益はゼロ。苦労しただけ損。いわゆる、骨折り損のくたびれ儲けということになります。
日本で生み出した価値の総額は、GDPという指標で与えられ、国民一人当たり生み出した価値の総額は一人当たりのGDPで与えられます。で、日本の大問題は、ここ30年ほど、GDPが全然増えていない。この30年間、日本人は、生み出す価値を増やすことを忘れて、他人のポケットのお金をいかにすれば自分のポケットに移せるかだけを考えてきたのですね。
それがわかれば、どうすればよいかはおのずとわかる。つまり『働け』ということですね。価値を生み出すこと。これは、額に汗する勤勉もあれば、知恵を絞りだして効率的に価値を生み出す道もあれば、お金やモノを動かして価値を生み出す道もある。国民一人一人が、自分に何ができるか、どうすれば価値を生み出せるかを考えて、努力実行すること。幸せになる道はこれしかないのだが、それがわかっていない人がなぜ多いのか、これが今の日本の最大の謎なのですね。どうして、でしょうか?