黒坂岳央氏の6/14付けアゴラ記事「米国AI失業、日本も新卒AI氷河期になるのか?」へのコメントです。
より中・長期トレンドでは、雑務の自動化で新卒は「貢献できる仕事が蒸発」、そうなれば中途採用が優先される。特にAI使いが積極採用されるだろう。
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しかもこれまで新卒が担っていた雑務をベテランがAIで処理するなら、彼らにできる雑務がなくなり、時間単価における比較優位性が消滅する。それはつまり、会社は新人を採用する理由を失うということだ。
新人を不要にするほどAIを使いこなせるベテラン(「AI使い」)が、現在の企業の中にどの程度おられるのでしょうか。むしろ、AIを使いこなせる人間が多いのは新卒の社員の方ではないかと思いますよ。もちろん、AIを業務に適用するためには、当該企業の実務に応じたAIの再構築が必要で、それにはベテラン職員も必要なのですが、ひとたびAIが出来上がれば、もはやベテラン職員も不要になる。
この前提は、新卒技術者がAI技術をマスターしていること。この意味は、新卒技術者が優雅な会社生活を送りたいなら、学生側ではAI技術の習得が必須になる。これは、文系だろうと理系であろうと、そうでなくてはこの先、生きていけないということなのですね。
一方、ベテラン社員が生き残るカギは「AI使い」であること。そうなのかそうではないのか、という一点が生き残れるか否かの分かれ道になる。AIが使えない人は、AI技術をマスターした新人のえさにされるだけ。これに抵抗しても無駄、時間の問題、歴史的必然性ということなのですね。
まあ、もちろんこういう話は極論であって、今はまだそこまでいってない。でも、世界がその方向に向かっていることは確かですから、まだ長々と会社生活をしようと考えている人は、来るべき時代のための準備をしなくてはいけない。先ずはAI使いになること。異世界転生モノのアニメで、まずは魔法使いの修行をするというような話ですけど、こっちはまじめな話ですから。
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