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金利を上げれば物価は下がるが

アゴラ編集部の6/21付けアゴラ記事「消費者物価3.7%上昇とインフレが加速:それでも利上げに動けない日銀」へのコメントです。


インフレを抑制する手段の一つに金利引き上げがあることは確かなのですが、金利を上げて物価が低下するメカニズムは、企業や個人の使えるお金が減少するため、消費を手控えることで、需要が減少し、価格が下落する、という因果関係によるのですね。

だから、物価上昇率よりも賃金の上昇が少ないことを問題視してはいけない。金利を上げて物価を下げようと思えば、賃金はもっと下げないといけないのですね。

消費者の購買力を減少させようという、金利引き上げと同じアプローチは、増税によっても実現されます。つまり、所得税を増税する、年金その他を減らす、健康保険の患者負担分を増やす、等々が具体的には考えられるわけです。

でも、インフレが問題となるのは、これによって生活が苦しくなったと考える人が多いからでしょう。景気が良くて、お金が市中にばらまかれ、これによって物価も上がったなら、これらの対処は正しいのですが、供給側に問題がある場合は、このような対処は、かえって問題を深刻化させてしまいます。つまり、生活はますます苦しくなるのですね。

では、どうすれば物価が下がるか。結局のところ、生産性を向上させて市中に出回るものを安価に大量に生産すること。生産や流通(輸入を含む)にかかわる規制を弱めて生産活動を活発にし、物の流れを促進すること、これにつきます。手っ取り早くは、食品などの消費財に係る関税を引き下げる。このあたりから始めたらどうでしょうか。

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