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経済政策のあるべきアコードは

池田信夫氏の8/1付けアゴラ記事「政府と日銀は『インフレ目標2%』のアコードを変更すべきだ」へのコメントです。


この「アコード」とは次のものですよね。

日本銀行は、今後、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取組の進展に伴い持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくと認識している。この認識に立って、日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とする。

目は、数字が書かれております「インフレ目標」のほうに行ってしまいがちなのですが、目的は「日本経済の競争力と成長力の強化」であり、その直接的な表れはGDP成長率になるはずです。そして、この結果生じる物価上昇率の目標が2%だと言っているわけですね。

だから議論すべきは、まず、「日本経済の競争力と成長力」であり、具体的にはGDPの成長率がどうであったかを見なくてはいけない。これに伴う物価上昇であれば、その率は経済成長の指標ともなりえるのですが、日本経済以外の外的要因による物価高であれば、その結果である物価上昇率は経済政策をうんぬんするための指標とはなりえないのですね。

で、現実に起こったことは何かといえば、我が国は失われた30年を継続中で、GDPは全然伸びない。物価は確かに上昇したけれど、宇露戦争に伴うエネルギー価格の上昇と異常気象による食料品価格の高騰がその原因なのですね。

もちろん、ここで「アコード」を変更するということ自体は良い考えでしょう。でも、「中立金利」とは、景気を良くも悪くもしない金利であり、失われた30年を継続中のわが国には、むしろ景気を上向かせる経済政策が必要なのですね。ならば、新しいアコードは「経済成長率」で定めるべきでしょう。これには、金利以外にも幅広い政策が必要であり、その結果としての経済成長率を見ながら金利を決める。これが妥当な経済政策ではないでしょうか。

1 thoughts on “経済政策のあるべきアコードは

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