岡本裕明氏の8/8付けアゴラ記事「米ロ会談、状況打破はあるのか?:案外もろいアメリカの覇権主義」へのコメントです。
それぞれのプレーヤの行動を探るには、それぞれに対しての、「強み、弱み、機会、脅威」を探る、「SWOT(Strengths、Weaknesses、Opportunities、Threats)分析」が有効でしょう。
ロシアの強みは戦争の長期継続が可能なことだけど、経済的ダメージは弱みでもある。ウクライナ東部4州が獲得できればうれしいが、資源輸出国に対する二次関税は脅威でもある。
一方のウクライナは、西側の支援が強みで損害の蓄積は弱み、NATO加盟ができればうれしいがこれは難しそうで、米国の支援打ち切りが脅威となる。この両国の「脅威」部分を操れるのがトランプ氏の強みになります。まあ、トランプ氏のOppotunitiesは、たぶん、ノーベル平和賞なんでしょうけど、それは言わないお約束かもしれませんね。
これから見える未来は、ウクライナが東部4州をロシアに譲り、ロシアはウクライナの安全を保障する、米国はこれを確実なものとするため、米国企業をウクライナに設置し、米国従業員もそこに置く。これは、米国にとってレアメタル資源の確保という意味もあるのですね。また、ロシアに対する経済制裁を解除すれば、ロシアには福音だし、ウクライナはさしあたり戦争が終わることが喜びとなる。ウクライナにしてみれば損な取引だけど、もともと弱いのだから仕方ありません。
そういう形で、一応は三方一両得(損?)の形で決着いたしますけど、西側世界の得るものは大きい。何分、ロシアの資源へのアクセスが復活いたしますと、エネルギー価格が急落し、インフレ傾向が止まる。金利の引き下げ余地が出て経済が活性化します。株などをやっている人にしてみれば、喜びもひとしおとなるのではないでしょうか。
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