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実は日本を救ったアベノミクス

池田信夫氏の8/11付けアゴラ記事「大企業を海外に追い出す中田敦彦の「逆ノミクス」は共産党と同じ」へのコメントです。


日本のやり方:アベノミクスで国債発行・ゼロ金利 → 円安誘導 → 輸出企業支援

大企業は最高益・内部留保増、しかし賃金上昇は起こらず(トリクルダウン不発)

この辺りは多くの方が誤解されているようなので、一言書いておきます。基本的な問題は、日本の国債発行が急増したのは、1985年のプラザ合意以降の急速な円高に伴う『円高不況』対策なのですね。この時問題になりました為替の水準は、1ドルが150円を割ったことで、それ以前の200-250円/ドルのレベルから、一気に100-120円/ドルのレベルに円高が進んだのですね。

アベノミクスは、国債発行ではなく、日銀が国債を買い入れることによる市中へのキャッシュの供給、つまり、「量的緩和」が中心でした。国債発行は、それ以前の民主党政権時代に急増し、税収よりも借金のほうが多くなってしまった。だから野田政権は消費税増税に追い込まれたのですね。

こんな問題が生じたのは、2008年のリーマンショック以来、欧米各国が量的緩和に踏み切る一方で、我が国の対応が遅れたため、1ドル80円を切る円高が2年近く続き、国内の生産工場が海外に逃避してしまったことが原因です。海外に出れば企業は海外で利益を上げられますが、賃金は海外に支払われる。そして、海外で利益を上げれば税金は海外に行ってしまう。

で、アベノミクスで1ドル80円台の円高は解消しましたが、120円程度に戻しただけ。これは、かつての危機的領域である150円/ドルを引き続き下回っており、海外に出た工場が国内に回帰することはありません。企業は海外で利益を上げる一方、日本の不景気は続き、内部留保を積み上げただけ。キシダノミクスで150円レベルまで戻ってはきたのですが、コロナとトランプさんがすべてをワヤにしている。←イマココ、というわけです。


財務省の「日本の借金の状況」へのリンクを示しておきますね。https://www.mof.go.jp/zaisei/financial-situation/financial-situation-01.html

国債発行残高が右肩上がりに急増している、というのがこの棒グラフですけど、よく見ていただくと二回ほど、フラットになっているところがある。

最初のフラットになったのは、2009年以前で、これは小泉行財政改革が功を奏して国債発行残高の増加にブレーキがかかりました。小泉行財政改革のそもそもの目的が、急増する国債発行残高が危機的状況であるとの認識によりました。で、これをぶち壊したのが、リーマンショックと、その後の民主党政権によるバラマキだったのですね。

民主党政権で許せない点は、この深刻な経済危機にありながら、極めて短期間で内閣改造を繰り返したこと。ちきりんさんも指摘するように、多くの同志に大臣副大臣を経験させたかったのでしょう。4か月ばかりの任期の大臣に何ができるというのでしょうか。政権の私物化、ここに極まれり、です。閑話休題ですけど。https://x.com/InsideCHIKIRIN/status/1306602326946230273

二回目に増加速度が低下したのは、2000年の前で、残念ながらフラットにはなりませんでしたが、それ以前に比べれば増加速度が低下した。これは、アベノミクスの効果と言えるでしょう。これをぶち壊したのはコロナ対策で、2000年の国債発行の急増ぶりは目を覆うばかりでした。こちらも安倍政権下で行われたのですが、国民の命を救うという目的がありましたのでやむを得ない、とは言えるでしょう。

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