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日本で成功した三つの経済政策

永江一石氏の8/26付けアゴラ記事「永江が政権取ったら(取らんけど)日本はこうするよの長文政策案」へのコメントです。


この手の経済改革では、過去に大成功を収めた三つの例を参考にしたらよいでしょう。一つは池田内閣の「所得倍増」、二つ目が小泉内閣の「聖域なき構造改革」、三つめが「アベノミクス」なのですね。最初の「所得倍増」は、利下げなどの景気刺激策により年率7%の成長を10年続けて国民総所得を2倍にするというもの。時代もよかったということもあって成功したのですが、今日ではあまり参考になりません。

小泉内閣の構造改革の一つは、「官から民へ」で、代表的な郵政民営化のほかにも、道路関係4公団など、いくつかの民営化がなされました。もう一つは、「中央から地方へ」で、地方にできることは地方に移管しております。その他、規制緩和もなされ、派遣労働の拡大などがなされました。この結果は赫々たるもので、2005年以降国債発行残高の増加はぴたりと止まっておりますhttps://www.mof.go.jp/zaisei/financial-situation/financial-situation-01.html

小泉氏が血を吐く思いで成し遂げた改革を無にしてしまったのが民主党政権で、1ドル80円という極端な円高の結果空洞化が進み税収が落ち込む一方で個別保障という名のバラマキを続け、税収を上回る借入になり、ついには消費税増税に追い込まれる。実は、小泉政権のなしたことと、民主党政権が壊したことを、我が国の新聞も評論家も触れたがらないのですね。この辺りをきちんと総括しない限り、我が国に未来は開けないでしょう。

ともあれ、民主党政権の大失策をリカバリしたのがアベノミクスで、「量的金融緩和」で極端な円高に終止符を打ち、「積極財政」で景気を上向きにして株価を回復しております。ただし、三本目の矢である「成長戦略」は中途半端に終わり、我が国の情報革命はお預けとなっております。

本エントリーの掲げておりますのは、ほぼ小泉改革の路線ですが、アベノミクスの金融政策も怠りなく、為替水準を維持して国内産業を活性化するとともに、成長戦略をモノにする。ただし、成長と言えば聞こえがよいですけど、これには「破壊と創造」が必須で、破壊される側の旧態依然とした産業サイドからの抵抗が予想されます。これを何とかするには、政治リーダの強いリーダーシップと国民の高い支持が必要なのですね。さて、この辺りいかがなりますか、ここが問題であるような気も致します。


他の方のコメントに返信を入れておきました。

Maki Norisuke

> 小泉竹中改革のせいで自分の人生はぶっ壊された20年たった今でも就職できないどうしてくれるんだ国が悪いんだ、だから国が自分らにお金をめぐんでくれるのが当たり前だ。

という意見がネット上の大多数です。20年の歳月があれば医師弁護士公認会計士の資格だって取れたのではとイジワル言ってみたい気もしますが少なくとも中小企業に中途入社はできたでしょうに。でも宗教団体の信者のように考えが固まっていますのでこの人らに説得は無理です。

かつて新自由主義がはやった頃、世の中みんなビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズにならないといけないのかと言った人がいましたがその反論もまた正しい。食っていくだけの収入を得てだらだら生きていたいよの人だって多数いてその人のケツを蹴っ飛ばせ言うのも大きなお世話。

ブログ論は正論のようにも見えますがだからといって有権者多数の支持を得られるとはかぎらない例のひとつに見えます。その証拠に維新の支持下がる一方ではないですか。


瀬尾 雄三

> 食っていくだけの収入を得てだらだら生きていたいよの人だって多数いてその人のケツを蹴っ飛ばせ言うのも大きなお世話。

これが現実というものなのでしょうね。で、民主党政権時代の政策は、まさにこの手の人たちにとっては天国だったのですね。円高だから海外の資源や製品が安く手に入る、国は国債をどんどん発行してそのお金で個別補償という名のバラマキを続ける。国内の産業の多くが行き詰まり海外に出てしまうけど、さしあたりは関係ない。

でもそのうちに、税収が減って借金の収入が税収を上回ってしまう。これでは国はやっていけないと気付いて、消費税増税に踏み切るのですね。結局のところ、ない袖は振れない。「稼ぎに追いつく貧乏なし」と言いますけど、肝心の稼ぎがないとやっていけない。サラ金借りまくりの生活は、いずれ破綻するしかないのですね。

でも、目先はバラ色。これを喧伝するのがポピュリズムで、あまり考えない人には大いに受けてしまいます。だから、前回痛い目にあった記憶を大事にしなくてはいけないのですが、問題は、我が国のマスメディアが民主党政権を大いに持ち上げてしまったこと。今更彼らを否定できないのですね。

結局のところ、マスメディアも新聞が売れてナンボ、テレビは視聴率が命だから、大衆に迎合するしかない。ではネットは、と言ってみたところで、結局のところPV命、再生回数を追求する安直なコンテンツが受けてしまいます。まあでも、分かるやつにはわかるのだし、最後に笑うのがどういう人であるかはお約束。そうとでも考えておくしかないのではないでしょうか。

1 thoughts on “日本で成功した三つの経済政策

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