長谷川良氏の12/4付けアゴラ記事「地球の自転が(予想に反し)加速してきた」へのコメントです。
基本的には、地球の自転速度は遅くなっております。これは、地球の自転によって生じる潮の満ち引きが、海流の摩擦抵抗によりエネルギーを失うためということです。
また、月の公転と地球の自転が同じであることで、地球の満潮が月の進行方向側で生じており、満ち潮の海水と月との万有引力により月の公転を加速する一方で、地球の自転を減速する働きがあるのですね。
一方、極地の氷が増減すると、地球の慣性モーメントが増減する。これは、フィギュアスケートの選手が広げた手や足を回転軸に近づけた時に起こる効果と同じで、質量×半径の総和である慣性モーメントIが減ると回転数ωが高くなる。½Iω^2であらわされる回転エネルギーが保存されるため、慣性モーメントIが小さくなると回転速度ωが増えることになります。
モーメントの変化は、一方向に変化し続けるというものではなく、増えたり減ったりする一方、潮汐による摩擦や月の加速は常時発生しているため、トレンドとしては、地球の自転は遅くなる方向となります。
と、いうわけで、大いに働くのは年末のような忙しい時期だけにして、その他はのんびりとやっておればよいのではないでしょうか。一年を十日で暮らす良い男(女?)、です。