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中国が台湾占領に成功する条件

野口修司氏の12/8付けアゴラ記事「台湾有事と尖閣防衛に関する日本の戦略的対応:存立危機事態への備え」へのコメントです。


中国が台湾占領に成功する『二つのシナリオ』とは」と題するデイリー新潮のYahoo転載記事は、今回の問題の背景を探るヒントになりそうです。ちなみに、検討したシナリオは全部で24ということです。https://news.yahoo.co.jp/articles/6b1a89119afcfa0ef4be224b38d70026eb83c5db

「中国が台湾占領に成功するのは二つのシナリオにとどまりました。主に、米軍の日本への事前展開が遅れたり、または、日本の自衛隊が米軍に対する後方支援や米軍防護の軍事的な支援を行わなかった場合など、特定の条件が重なったケースです」(元陸上幕僚長の岩田清文氏)

つまり『日本の自衛隊が米軍に対する後方支援や米軍防護の軍事的な支援を行わなかった場合』というのが中国が台湾占領に成功する一つの可能性であり、これを求めて中国サイドが必死に動いたのではないでしょうか。

そういう背景を考えれば、公明党の連立離脱に中国の働きかけがあったことも納得がいきます。当時は、玉木氏を総理にする前提で動いていた野党の連携がありましたから、ここに公明党が加われば野党連立政権の目もあり、上の条件が成立する可能性が高まる。また岡田氏のしつこい国会質疑も、「台湾有事は存立危機事態になり得ず」ないし、「台湾有事は日本有事ではない」といった高市総理の答弁を引き出せれば、中国サイドの安心材料になり、台湾進攻に踏み切るきっかけとなり得た。

もしそうした背景があったとしたら、日本は薄氷を踏むような状況を乗り越えて、中国の台湾進攻を回避している。戦争回避に対する高市氏の功績は極めて大であったといえるでしょう。


返信が付いております。

野口修司

ご指摘を感謝申し上げます。問題は小生が10年は指摘しているように、トランプ米国が有事に日本防衛に動かない可能性です。自国を自国で守れない日本。だが国民の多くはいまだに平和ボケ、9条掲げて、戦争しないと言えば、過去70数年の平和が維持できると思い込んでいる。答えは1つではない。国民が一刻も早く議論をするべきです。


瀬尾 雄三

野口修司さん

> 問題は小生が10年は指摘しているように、トランプ米国が有事に日本防衛に動かない可能性です。

中国の台湾進攻、あるいは日本侵攻に対して米国が動かない可能性は低いのではないかと、私は思っております。もちろんその可能性がゼロではないところが怖いのですが。G2なんていうトランプ氏の発言もありましたから、この心配も、理由がないわけではありません。まあ、「米中二極体制」などという言葉は、根拠がない様子ですが。

米国にとって、太平洋を挟んで中国と直接向かい合うことは、悪夢ではないでしょうか。中国の夢は、東西太平洋を米国と中国で分け合うというもの。これでは、南太平洋の島々や、インド洋からアフリカへの米国の軍事的影響力が潰えてしまいます。

上でご紹介しました中国の台湾進攻成功シナリオは、24ケースのうちの2ケースだけということで、現状の軍事力バランス下では、中国勝利の可能性は低い。ここで中国が敗れますと、折から行き詰り気味の中国経済の破綻や、国民の不満爆発による習近平主席失脚の可能性もあります。台湾に侵攻する以上、勝利が見えていなくてはいけないのですね。

だから我が国がなすべきことは、中国の台湾進攻が高くつくということをきちんと示すこと。存立危機事態の可能性を否定しないことはもちろん、熊本に配備すれば台湾海峡を射程におさめる12式地対艦誘導弾能力向上型の配備を急ぐ必要もあるでしょう。備えあれば患いなしです。早苗だけじゃ足りません。

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