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ドル円相場を決める要因の数々

アゴラ編集部の12/20付けアゴラ記事「日銀が0.75%に利上げでも円安加速:円安スパイラルはこれからが本番か」へのコメントです。


今回の利上げは、円安阻止という本来の狙いを十分に果たせなかった」ということですが、日銀は本当に『円安阻止』をしたいのでしょうか。「来年も高い賃上げが続く可能性を指摘し、経済・物価情勢に応じて今後も利上げを進める方針を示した」ということであるなら、金利操作が参照しているのは為替水準(ドル円)ではなく、景気動向ではないでしょうか。そして、景気回復はまだまだ不十分、というのが実情でしょう。

また、円相場を決める要因を、本エントリーは「政策運営への信認や将来像の不透明さ」としておりますが、これ以外の要素の影響の方が大きいように私には思われます。例えば、本日朝のFISCO記事は、「NY為替:米長期金利上昇でドル続伸」と題して次のように伝えています。

19日のニューヨーク外為市場でドル・円は156円92銭へ弱含んだのち157円77銭まで上昇し、157円75銭で引けた。片山財務相の円安是正発言を受け一時円売りが後退した。しかし、世界的な債券安に加え、ウィリアムズ米NY連銀総裁が現状で追加利上げの緊急性はないとの発言を受け、米長期金利上昇に連れたドル買い・円売りが再び優勢となった。

長期的な円安トレンドの背景には、日本の財政赤字への懸念もゼロではないでしょうが、それ以上に、トランプ関税の貿易収支への影響や、中国の台湾進攻の可能性という地政学的リスクも意識されているのでしょう。

後者は、高市首相の存立危機事態をめぐる答弁で注目が高まったこともありますが、最初から存在していたリスクが改めて注目されたもので、その裏には、中国解放軍建軍百周年や共産党大会を控えていることや、中国の経済危機から目をそらしたいなどの、中国側の事情が大きく、ここで我が国の政治経済運営に苦言を呈することは、本末転倒であるように、私には思われます。

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