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『為替操作』は禁じ手なのだが

アゴラ編集部の12/23付けアゴラ記事「長期金利が2.1%に急騰:円安止まらず調整役不在の日本経済」へのコメントです。


背景には円安の進行があり、外国為替市場では1ドル=157円台で推移し、円安による輸入物価上昇とインフレ圧力への懸念が強まっている。…

債券市場では、円安インフレを抑えるため日銀が今後さらに利上げを加速させるとの観測が浮上し、長期金利だけでなく中期債利回りも大きく上昇している。

過去の世界で生じた通貨危機を振り返れば、その大部分が無理な自国通貨高政策にあったことに気づくでしょう。今の日本が、このメカニズムの入り口にあるというリスクを、まず認識しなければいけません。

そもそも金利の上昇や債券安は、日銀による金利引き上げがあり、また、市場関係者が今後も日銀による金利引き上げがあるだろうと予想するからなのですね。日銀が金利を上げず、この先も上げないといえば、金利は上がらないし債券も安くならない。

円安は、物価が上昇して国民生活が苦しくなる。確かに、国民には不人気な状況です。だから、選挙や支持率を考えれば、政治家は自国通貨高を望む。だけどこれには自国の産業を傷つけるという副作用がある。フリーランチなどどこにもないのですね。過去の日本はこの副作用に冒され続けてきた。これが「失われた30年」なのですね。

経験に学ぶのではなく、歴史に学ぶべき時です。プラザ合意の時点に意識を戻して、あるべきドル円の水準を評価しなおさなければいけない。当時は1ドル165円とも言われていた。日本の産業の競争力低下を反映させれば、おそらく今のそれは1ドル180円前後ないしそれ以上なのではないかな。

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