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インフレ税?デフレばらまき?

池田信夫氏の12/29付けアゴラ記事「インフレ税って何?」へのコメントです。


1980年代の後半から現在に至る世界主要国のインフレ率の推移を見ますと、日本が0%付近で上下を繰り返しているのに対して、他国は2%前後で変動しております。https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=PCPIPCH&s=1985&e=2025&c1=US&c2=JP&c3=GB&c4=FR&c5=DE&c6=

先進国で一般的な2%のインフレ率を正常レベルと考えますと、我が国は非常に長い期間にわたってデフレを継続していたといえます。「インフレ税」と似た用語を使うなら「デフレばらまき」を続けていたともいえるでしょう。
 
インフレ率の推移(上のURLのグラフ参照)が例年と異なる動きをしたのが1991年と2022年ですが、前者は湾岸戦争、後者はロシアのウクライナ侵攻に対応しております。これらの戦争の影響を受けてエネルギーコストが急騰し、各国のインフレ率を引き上げております。

我が国の長期にわたるデフレを経験してきた日本人は、これを標準とみなしがちで、他の先進国と同一レベルに至った現在を異常と考えてしまう傾向にあります。ここは、経験に学ぶのではなく、歴史に学ぶという姿勢も大事ではないかと思います。

我が国は「失われた30年」とも呼ばれる長期にわたる停滞を経験してまいりました。この停滞から脱出することが、日本経済の課題ともいえるでしょう。このためには、長期にわたる歴史を参照し、問題の本質をつかむこと。これが肝要ではないかと思います。

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