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ホクリア号航海が教えるもの

先日早起きしたとき、テレビをつけたら、ハワイのヒト達が、カヌーを二つ接続した形の大型カヌーホクリア号で、他の島々まで航海した、という話を放送していました。

コレに似た話に、バルサで作った筏で太平洋を航海した、「コンチキ号」というのがありましたね。これ、今でもノルウェー、オスロに展示してあります。近くにある、アムンゼンが南極探検に使った船の方が、私的には興味深かったけど、コレはどうでも良い話。

コンチキ号は、太平洋周辺の民族移動の学説を証明するため、実際に、太古の技術で筏を作り、太平洋をわたる実験をしたもの。

ホクリア号も、太古のハワイのヒト達が、遠く離れた島々と行き来していたことを再現しようということなのでしょうが、本当の目的は、ハワイ人のアイデンティティ確立の為。自分たちは何者であり、どこから来たのかを知りたい、ということなんですね。

その番組では、航海の大変さ(嵐にあって、船が壊れかけた)とか、星だけを頼りに航海する技術を、いかにして現代によみがえらせたかなどという話題を中心に扱っていたのですが、最後に話された内容に、思わず相槌を打ってしまったのですね。

その内容は、おおよそ次のようなものでした。

他の島に渡って、自分たちと違う文化があることを知った。それぞれの島にそれぞれの文化があり、それを知ることで、自分たちが何者であるのかがわかるようになる。

大事なことはダイバーシティ(多様性)を尊重すること。互いの文化を認め合えば、世界に争いもなくなるはずだ。

なるほどなるほど、これ、今の日本のヒト達にも言えますね。

自分探し、というのが、現代の一つの問題、自分が何者かわからなくなってしまっている。

でも、それを知るためには、自分について考えるよりも、他のヒト達を知ること、自らとは違う他人を認めること、その違いの中に、自分は何者か、というのが見えてくる。

ま、そんなことを彼の話から読み取ったのですね。で、他人を認めるなら、喧嘩もなくなると、、、

ホクリア号の航海に絡んでは、いろいろな思いも交錯します。

ハワイ、他の太平洋の島々と異なる点は、ココ、アメリカなのですね。でもそこに住むヒト達には、古くからの太平洋の島々にいた民族も多い。アメリカの文化と古くからの文化の軋轢、なんてモノもあったのでしょうね。

一方日本に目を転じると、日本人のルーツ、政治の絡みが出てしまう。最近は右よりのヒト達が、日本人単一民族説に傾いていますけど、大東亜共栄圏の前提は日本人の混血性。天皇家の混血性ゆえ、朝鮮から満蒙にいたる一大領域を日本主導の下に繁栄させる意味がある。で、日本人単一民族説を唱えた帝大教授は右翼の攻撃を受けて、職を追われたりしたのですね。この問題、今でもなかなか考えづらい、、、

あ、それから、ホクリアでネットを検索しても、別の話題が出てくる。なんと、JALがハワイで進めている開発計画、それがホクリア、しかもコレ、お墓の上にゴルフ場を作ろうというとんでもない話。いやになっちゃいますねえ。