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アジア大会で爆発した反日感情と日本経済

アジア大会の決勝、昨日は気合を入れてみてましたけど、日本人には心地よい快勝。でも、中国のサポーターにとっては、最悪の結果ですね。なんか、気の毒になるような。でもこれが勝負事、騒いでどうなるものでもありません。みっともないだけですね。

しかし、株式投資をしている者にとっては、「ざまあみろ」じゃあすみません。私の投資の中心であるトヨタは、中国市場重視でして、ココで嫌われると困るのですね。この状況は、他の自動車産業も同じだし、電機メーカなど多くの日本企業にも共通です。

中国、今は経済水準が低いけど、急速に発展しつつあります。おまけに、人口が多い。日本の10倍、実に人類の1/5が中国人なんですね。その市場は無視できるものじゃありません。自動車各社、中国戦略を真剣に考えています。この市場を押えるかどうか、これが日本の自動車メーカの将来を決めてしまう。

ココで明らかになったことは、今の中国人に、反日に走る素地があるということ。この反日感情、競技場の中だけで、街中はそれほどでもないのは救いなのですが、日本が過剰反応をして、反日感情を煽るような結果になると、中国全土に反日の波が広がる可能性もあります。コレはまずい、、、「民度」なんて、思っていても言っちゃ駄目。日本にだって、低い奴、一杯いるのですね。

逆に、中国政府は今回の事態に危機感を抱いている様子。これが、ただ民衆の騒ぎを警察力で抑えるだけ、だと逆効果もありえます。弾圧すりゃあ良い、という問題ではないのですね。恨みが日本に向かうかも知れない。

ココは、問題の本質である、教育の場における反日教育、コレを何とかして欲しい。まあ、日本にも嫌われる要素がありまして、これは、日本も何とかした方が良い。日中の歴史教育のあり方を、双方の政府関係者が共同で考える、などが処方箋ですね。そういうことが出来るだけの実力が、文部科学省にあればよいのですが、、、

こういうやり方、土下座外交などと批判する向きがあるかもしれませんけど、今の日本、商売が第一、商人の逞しさと、狡賢さを身に付けなくちゃいけない。お客を持ち上げるのも、商売、商売。稼いだものの勝ちですからね。サッカーで実力のほど見せ付けるのは、まったく問題ありませんケド、、、

昔、ソニーがトランジスタラジオを開発したとき、時の総理大臣、池田隼人は、コレを諸外国に売り込む後押しをした。で、「日本の総理はトランジスタのセールスマン」などと揶揄されたりしたのですね。でもその結果、日本の電子産業、世界をリードする地位にまで上り詰めました。

今の各国首脳、自国の製品を売り込むのに必至なんですね。今にして思えば、池田総理、時代を先んじていました。イギリスでは、日産の工場誘致に、女王陛下までが動きました。

経済でのリード、これが国際的力関係を決めますから、このようなやり方、政治世界のリーダとして、当然の行動。日本がサミットのメンバーになったのも、経済力を評価されてのこと、国連の常任理事国なんて話が出てくるのも、決して軍事力を評価されてのことじゃない。

それに、太平洋戦争に負けたのも、日米の経済力の圧倒的な差が主たる原因、経済力が強いということは、潜在的な軍事力も強いということを意味します。

経済と科学技術で世界をリードすること、これが日本の戦略であるべき、というよりは、大抵の国が、現に戦略の中心に据えているんですね。

国と国との戦い、様々な分野の戦いがあります。サッカーだけじゃない、軍事的対立だけじゃない。そんな戦いはときどきやるだけ。科学技術の世界、経済の世界では、熾烈な戦いがもっと日常的に行われています。この戦いに勝利を収めることが、世界に冠たる日本を実現する道、つまらぬ感情に拘っている場合じゃないのですね。