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イラクの自衛隊

イラクの自衛隊をどうするか、で盛んに議論されていますけど、なんか、ずれた議論が多いと感じるのは私だけなのでしょうか?

まず第一に、自衛隊員に犠牲が出たら撤退する、と政府側に言わせたがる人たち、これ、ものすごく危ないことをしているのですね。だってそんなことを言った日には、米国に打撃を与えたいと思っているゲリラたち、必至になって自衛隊員を殺そうとする。そんな状況を作りたいのでしょうかね。

危ない場所は日本にだってある。でも、そこで警察官に犠牲が出たからといって、警察、その地域から手を引くわけにはいかないのですね。

戦闘地域の定義、これも問題ですね。自衛隊がいれば非戦闘地域、は論外としても、国家同士が戦火を交える場所、なんて定義、本気で考えているのでしょうか。

偶発的な事件は、いつでもどこでも起こりえる。何かが起こったとき、それが恒常的、日常的であるのか、それとも偶発的であるのかが問題。

仮に自衛隊に損害が発生した所で、それがたまたま、どこぞの暴漢の手になるのなら、それは単なる偶発的な事件。でも、大規模な反乱軍が迫ってきて、連日の攻撃にさらされる、なんて局面になったら、そこはもう、戦闘地域になるのでしょう。

まあ、実際の所はその中間的な状況がしばしば起こるわけでして、判断に苦しむケースが多いのでしょう。でも、その基準を、先走って決めてしまう、そんな硬直的な考え方はまずい。そんなことをすると、撤退の時期も見誤るだろうし、犠牲も増えてしまう。

戦略的な立場から言えば、日本の自衛隊、どうする気なのかさっぱりわからない、それがベストのあり方。自らの不透明性、不確実性こそ、最良の作戦です。荒れ玉のピッチャー、バッターとしてはこれほど手ごわいものはない、これと同じですね。