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昨日のお話が尻切れトンボになってしまいましたので、まずはその続きを。
結論から先に言えば、座標系が直接に意味しているのは「位置」でして、基底ベクトルの大きさといいますものは長さの単位をもっております。
したがって、単位に長さを含む量は基底ベクトルの大きさに反比例して変化しますし、長さの逆数を含む量は基底ベクトルの大きさに比例する、というわけです。
これは、逆の印象を持たれる方もあるかと思いますが、たとえば、長さを棒の長さ何本分、という形で表示するとき、長い棒で測ったときの本数は、短い棒で測ったときの本数よりも小さくなります。同じ対象を棒の数として測ったときの棒の本数は、棒の長さに反比例するのですね。
1kmは1000mでして、単位としてのkmはmの千倍の大きさを持っているのですが、同じ長さをこれらの単位で表したときの数字、1と1000は、単位の大きさの逆の関係にある、といった方が判り易いかもしれません。
この逆の関係にありますものとして、たとえば電界はV/mという単位を持っており、これは基底ベクトルの大きさに比例して変化する共変ベクトルである、ということになります。
まあ、わかりにくく言えば、電界Eは電気ポテンシャルVをそれぞれの方向に対して微分して得られるベクトルで、式で表せば E = e1E1 + e2E2 + e3E3 = e1∂V/∂x1 + e2∂V/∂x2 + e2∂V/∂x2 となりまして、E1などの単位は長さ(x1など)の逆数に対応しております。したがって、長さが倍になればこれらは半分になるわけですね。
以上はベクトルにつきまして話を進めてきたのですが、ベクトルは添え字が一つのテンソルでして、テンソルについても同じことがいえます。
さて、共変、反変というのは、長さを単位の分母に含むか分子に含むか、ということで説明いたしましたが、実は、この言い方は必ずしも正しくはありません。
と、いいますのは、基底ベクトルに対して、この逆数とも言うべき双対基底というものを考えることができまして、こちらで座標を表すこともできます。こうして表された座標は、基底ベクトルの大きさの変化に比例して変化する共変ベクトルとなります。このあたりのことは、こちらのページが参考になります。
これらの変換や微分の仕方など、この先の演算則は非常にややこしくなるのですが、これはどうやら避けて通れない様子。本ブログでも、あせらず、少しずつ勉強していくことといたしましょう。(続きはこちらです。)