コンテンツへスキップ

米澤穂信「愚者のエンドロール」を読む

本日は少々お気楽な書物、米澤穂信著「愚者のエンドロール」を読むことといたしましょう。

これは、いわゆる探偵小説でして、ネタバラシはご法度。そういうわけで、あまり内容を紹介するわけにもいかないのですが、同書について書く以上、全く触れないわけにもまいりません。以下、同書をまだ読んでいない方の楽しみを奪わないよう、きをつけて書くようにはいたしますが、これはヤバイ、と思われた方は、その先は読まないようにお願いいたします。

まず、第一印象。これ、「涼宮ハルヒの憂鬱」に似た雰囲気です。同書を読まれる方は、キョンの声を思い浮かべながら読んでいただけば、興味も倍増する、というものです。

ハルヒに似ている、などといいますと、ハルヒの人気にあやかった後追いか、などという印象をもたれるかもしれませんが、ハルヒは2003年のスニーカー大賞であるのに対し、こちらは2001年の出版で、こちらが先ではあります。多少味が薄め、ではありますが、、、

ちなみに、同書は現在、角川文庫から出ているのですが、初出はなんと「角川スニーカー文庫」。これも、ラノベだったのね、とあとで気づくと共に、こうなってまいりますと、「憂鬱」も、いずれは「角川文庫」化されるのではなかろうか、などという期待ももたせてしまいます。

同書は、同じ登場人物が活躍する、前作「氷菓」に続く話でして、「氷菓」もそれなりに味がある話ではあるのですが、物語の完成度、という点では「愚者のエンドロール」の方がすぐれている、という印象を受けました。

「氷菓」の方は、少々古い出版ということもありまして、置いていない書店も多いようなのですが、「愚者のエンドロール」をお探しの際に、「氷菓」が一緒に並んでいるのをみかけたら、両方とも買ってしまう、というのも手かも知れません。さほど高い本でもありませんし、読むのにさしたる時間も掛かりませんからね。

さて、「愚者のエンドロール」のご紹介とまいりましょう。これから読まれる方で、中身は読むまで知りたくない、という方は、ここでお別れとしてください。

余計なものが目に触れないよう、少々改行を入れておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

もう良いでしょうか?

 

 

 

 

 

 

さて、登場人物のご紹介からいきましょう。

まず、探偵役は「折木奉太郎」。親友でワトソン役の福部からは「ホータロー」などとも呼ばれています。本人は「省エネ」などと言っているのですが、余計なことはしたくない、ものぐさな探偵です。

続きまして、ワトソン役は「福部里志」。雑学博士で、自称『ホームジスト』(これ、名探偵コナンでおなじみのシャーロキアンとは、どう違うのでしょうね)。片思いされている幼馴染の伊原摩耶花には「ふくちゃん」などと呼ばれております。

次に女性陣ですが、まずは、お嬢様で好奇心旺盛な「千反田える」、先ほど出てまいりました伊原摩耶花には「ちーちゃん」などとも呼ばれております。伊原摩耶花、なれなれしいのか、いろんな人を略称で呼んでおります。で、この方は文集製作におきましては、リーダー格として振舞います。

その他の登場人物といたしましては、同書の内容までのところは手紙でのみ登場いたします、折木の姉の「折木共恵」がおります。

それにしても登場人物の名前、一発で仮名漢字変換のできない名前ばかりですねですね。まあ、「涼宮」も、普通のパソコンでは一発変換できないのだが、、、

で、折木の姉を除く4名は、活動内容不明の「古典部」に所属して、なぜか探偵活動に専念するという、SOS団と良く似たお話が展開されます。

まあ、超能力その他の存在が許されないミステリーですから、その分、お話の内容は常識的、といいますか、迫力がない、といいますか、早い話が、常識的な論理が通用する展開、とはなっております。

さて、「愚者のエンドロール」は、学園祭で上映するためのミステリー映画を製作中に、「解決編」のシナリオを書き上げる前に作者が倒れ、ビデオ作品の製作が頓挫、一体このミステリーの真相とは何であったのか、ということを推理いたします。

で、その条件といたしまして、ロナルド・ノックスの十戒チャンドラーの九つの命題ヴァン・ダインの二十則という、ミステリーが守るべき規約がきちんと守られている、ということを保証しているのですね。けっこう本格的なミステリーなんだ、、、

ちなみに、十戒、九命題、二十則につきましては、このページをご参照ください。

しかし、こういうミステリーも面白いですね。同じ手を「涼宮ハルヒの分裂」に使ってみたらどうでしょうか。つまり、いつまでたっても出てこない「分裂」の続編であります「驚愕」を、作者不在の状態ででっち上げてしまう、ということですね。

まあ、ハルヒの場合は十戒も九命題もお構いなしですから、はるかに自由度の高い展開が可能です。その分、筋を絞り難い、という問題があるのですが、「新たな登場人物」や「新たな能力や属性」を使わない、といった程度の縛りはすべきでしょう。

まだエイプリルフールまでには40日ほどありますので、これにぶつけて、スニーカー文庫そっくりの体裁のPDFにして、まあ、100~200ページほどの「偽驚愕」をでっち上げるのが面白いかも知れませんね。エイプリルフールに間に合わなければ、七夕、という手もあるが、、、(結局、書いてしまいました

うーん、ネタバラシは極力避ける、という縛りでは、「愚者のエンドロール」のご紹介はなかなか難しい様子。あとは、チャットの語り手の推定程度で、本日はお茶を濁しておくことといたしましょう。特に正体を隠しているわけでもありませんから、特定は簡単、ですね。

「名前を入れてください」=「入須冬実」
「まゆこ」=「本郷真由」
「あ・た・し♪」=「折木共恵」
「L」=「千反田える」
「ほうたる」=「折木奉太郎」

そのた、なにか気づいたことがありましたら追加することといたしましょう。