このところ政治の動きに神経を尖らせている本ブログですが、本日は中川氏をめぐる動きが伝えられております。森派内で中川氏を排除する動きが強まっていると。
これはしかし、どうでしょうか。私の見たところでは、中川-小池の両氏は自民党にとりましては最後の切り札でして、これを温存しなければ自民党の明日はありません。そもそも、森、安倍の両氏で何かができるなどと考えているのでしょうか?
中川憎しの動きが高まりますと、筋書きが混沌としてまいります。自民党にとりまして最悪の展開は、中川、小池氏が何人かの自民党議員を連れて党を割って新党を設立、来る衆院選後に民主党と中川新党が連立すると言う動きでして、これが一番わかりやすい動きです。
もう一つは、自民党内の良識派が森・安倍氏を諌め、中川氏が自民党内で力を増すという筋書きなのですが、現在のところではこのストーリーは見えてまいりません。空気の読めない人たちが権力の中枢におりますので、良識派の出る幕がない、あるいはそもそも良識派などというものが存在しないような感じすらいたします。
あとは、中川氏がどこまでがんばれるかが問題です。まさか、以前の加藤の乱みたいな、お粗末な展開にはなるまい、と予想しているのですが、、、
さて、中川新党誕生ということになりましたとき、その政策はいったいどのような内容になるでしょうか。
まずは、上げ潮派ですから、経済の活性化による税収の増大により財政を改革するという点が柱となるはずですが、現在の経済状況を考えますと、この主張だけでは弱いように思われます。また、選挙ということを考えますと、自民とも民主とも一線を画す政策を打ち出す必要があるでしょう。
そこでありそうなのが「行財政の効率化」をキーワードにすること。不人気な政策であります「一律給付」は、減税と同様な効果はあるものの、行政手続が煩雑で、これにかかる経費も馬鹿になりません。つまり、非効率的な景気刺激策といえます。
最も経費のかからない景気刺激策(国民にお金を返す形での)は減税でして、減税では低所得者に恩恵がないということが問題となるのであれば負の所得税、つまり収入が一定以下の人にはマイナスの税金を課すものとして現金を逆に支払う、という方法もとりえます。
もちろんこのためには、全ての所得を一元化する必要があるのですが、今日の生活保護が、一切の資産の保有を許さない、再起不能状態での保護となっております問題も、負の所得税なら回避することが可能です。そして何よりも良いのは、税務署の業務を少々拡張するだけで実施できる、効率的な施策なのですね。
というわけで、景気刺激策の柱は、公共投資というよりも減税(所得税、法人税の減税)であり、当然のことながら先々の増税議論は当面は停止ということにいたします。また、公共投資も、学校その他の耐震化など、必要性が差し迫った部分に重点的に行うべきであり、不要不急の投資案件に関しては、その経済効果を厳格に査定して決めるべきでしょう。
もう一つの柱は道州制を強力に推し進めることでの地方の行財政改革でして、これによる国と地方の公務員数を相当数削減することが一つの政策の柱となるでしょう。労組の入り込んでおります民主党には、おそらくここまでの改革はできないのではないかと思います。
その他、昨今議論されております、国会議員の歳費削減、定数削減と、これと一体化しての公務員定数削減、特に高級官僚の削減と天下りの原則禁止など、国家予算の支出を絞る政策も相当量織り込まなければなりません。
とまあ、こういった政策をきちんとまとめてアピールできますと、中川新党もなかなかに魅力的です。そもそも、麻生自民党の支持率はすでに地に落ちております。これに反比例するように、小沢民主党の支持率が上がっているのですが、これは他に選択肢がないからであって、本当に小沢氏を支持している人間がどれほどいるかは疑問です。
と、なりますと、中川新党もし誕生すれば、来る衆院選で相当な人数の当選が確保できる可能性が高く、選挙以前の段階での自民、民主からの参加もかなり見込めるのではなかろうか、と考える次第です。
と、いうわけで、中川新党+民主の連立政権は、かなり現実味が高いように私には思われるのですが、この場合には小池首相の目はあまりなく、おそらくは中川氏が首相となるのではないか、と私は考えております。つまり、小池さんはあくまで小沢氏への対抗馬、というのが私の見方です。