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炎上を防ぐためのちょっとした知恵

最近よく覗いているブログにMechaAG氏のブログがあります。これ、イケハヤ師の動向をチェックするのに手ごろなページということで覗きはじめたのですが、時々その他の有益な情報にも出合います。その中で、モヒカン族というページが面白い。今回はこれについてちょっと考えてみることにいたしましょう。

モヒカン族とは

まず、モヒカン族とは、正しい情報を重視するあまり、空気を読まない人、といいますか、他人の気持ちを考えずにずばずば言ってしまう人、というような意味と考えておけばよいでしょう。

今日のネットは、なぜか親しい人々の集団の中でのコミュニケーションが交わされているのですが、実際には、世界中の誰にでも公開されているのですね。だから、異質な人々が入り込んでくることは、往々にしてあること。そして、つまらない間違いを指摘されてしまうこともあるのですね。

その時に、発信者の気持ちに配慮して、柔らかい言葉で書いてくれればよいのですが、そんなことはお構いなしに間違いを指摘する、ときには、こんな間違いをしでかすようではあなたのレベルは○○程度ですね、などと余計な一言を書いてくる。これを読んだら、そりゃ、ムカッときますよね。

で、これに感情的に反発すると、更に厳しい言葉が返ってきて炎上する。発信者は大いに傷つくという結末になるわけです。

この手の正しい情報を重視する人を、どうやら「モヒカン族」と呼んで、警戒するといいますか、軽蔑するようなことがおこなわれているのですが、ネットが公開された場である以上、これは致し方ありません。

(2017/5/6追記:togetterに面白いまとめがありましたので紹介しておきます。)

正しい対処法

で、これへの対処がこのあたりに書かれております。その結論は、

コテンパンにされたときの対処法は、「『オレって自分の間違いを認める広い心を持っているよ』というキャラをアピールすること。そして『自分は若輩者ですから、どんどん至らないところを指摘してください。勉強させてもらいます』という謙虚さ、が必要」で、「本当は色々と考えて発言しているのに、わざとへりくだった態度を見せているんだな」と勝手に買いかぶられるようにもって行けば成功、だそうだ。

ということ。まあ、その通りでしょう。

Ligの神対応

で、これを正に実行した例がLigのゴウ氏。彼は、イケハヤ師の「サラリーマンのブログはつまらない」との名指しの批判に対してこれを書かれているのですが、これはまさに神対応というしかありません。この文章、内容はイケハヤ師に感謝し、イケハヤ師を大いに持ち上げているのですが、読者からみれば、ゴウ氏はイケハヤ師よりはるかに上という印象しか受けないでしょう。

まあ、ここまでの対応ができたら大したものですけど、普通の人にここまでを要求するのは、ちょっと、酷かな?

ネットコミュニケーションの特性

ちなみに、このあたりの社会関係につきましては私の研究テーマでして、固定ページ「悲しきネット」にさまざまな文書をアップロードしております。わかり易いところではプレゼン資料あたりから読んでいただくのが良いのではないかと思います。(論文もアップロードしました。)

ネットコミュニケーション、実は、旧来のコミュニケーション手段からみますと、かなり異なる特性をもっておりまして、そこに混乱が生じるのはあたりまえのことであるともいえるでしょう。これをうまく使いこなすには、その特性を十分に理解して、これに合わせて使うのが賢いやり方であるようにも思います。

私の場合は、そういうことを他に先んじて経験してしまったものですから、こんな研究をはじめようとも考えたのですが、、、

ネットの中で対立する文化

ちなみに、下の図は、その結論的部分です。

対立の背景
ネットという電子的コミュニケーション手段は、広い範囲に伝達されるうえに、記録され、表情や声のトーンなどの感性的部分が剥離するために、個人の事情を離れた匿名的なコミュニケーションとなり易い特性を持つ一方で、電話やオーラルコミュニケーション(対話)と同じような、双方向性と瞬時に伝達される特性により感性的コミュニケーションともなり易い。

この矛盾した特性が、一方では普遍性を、他方ではコミュニティ(仲間社会)を志向し、これが時に不毛な対立の原因となる、というのがこの研究の結論です。

ネットはそういうものだ、ということを理解して使えば、ややこしい問題に巻き込まれて神経をすり減らすリスクも、多少は軽減されるのではないでしょうか。