新型コロナ感染状況の4/10版です。
我が国の状況
本日正午時点での厚労省の集計(国内分)では、感染者数が昨日から579人増加して累計5,246人、死亡者は3人増加して累計88人となっております。
累積感染者数の倍増に要する日数は、昨日と同様の7日、死亡者が倍増する日数も同じく16日となっております。
本日のグラフから、新規感染者数の倍化日数を含めて表示しています。青い線がこれで、新規感染者数は変動が激しいことから、7日移動平均の倍化日数を表示しています。
この値、いったん20日程度まで増加したのですが、3月の28-29日にかけて4日までに急落し、その後徐々に増加して現在7日となっております。
この動きは、累積の感染者数の倍化日数(グレー)と同じ動きで、変動幅が激しくなっておりますのは、新規の数は累積値の微分に相当しますので、変化が協調されるのは、妥当なところです。
問題は、3月28日ごろに何が起こったか、ということなのですが、一つには、三連休の気のゆるみによるという説がある一方で、このころから検査数が急増しておりますので、これによりより多くの感染者が見出されたということも考えられます。
その他には、このころの感染がヨーロッパ帰りの人から始まるケースがいくつか見られたことから、感染力の強い、ヨーロッパのウィルスが持ち込まれた可能性もあります。
この変化がいずれの要因によるものか、そしてこれがどの程度危険な変化であるかは、死亡者数の倍化日数の変動によってある程度知ることができると考えています。
すなわち、新型コロナを原因とする死亡者数はほぼ正確に把握されていると考えられますので、死亡者数の倍化日数が変化しないなら、この変化は検査の強化によるものであって、あまり心配する必要はないといえそうです。
これまでの結果は、死亡者数の倍化日数に減少は見られず、この変化が検査強化によるものであった可能性を高めておりますが、感染から死亡までにはある程度のタイムラグ(数日程度か?)があると考えられることから、結論を出すにはまだ時期尚早であると考えております。
世界の状況
厚生労働省の発表による世界の状況です。感染者数、死亡者とも、増加傾向には変わりありませんけど、落ち着いた動きとなっております。
感染者数の増加パターン
下図は、フィナンシャル・タイムズのコロナウィルスページから、各国の新規感染者数の推移を、死者が3人となった日を起点にプロットしたものを引用しております。
この図より読み取れることは、中国と韓国が抑え込みに成功していること、激しい感染拡大が続いておりました欧米各国の新規感染者数も頭打ちになっていることが分かります。
欧米各国につきましては、感染者数の増加速度が頭打ちになっているといいましても、その数は毎日数千人から、米国に至っては二万人レベルが続いておりますので、かなり大変な状況ではありますが、指数関数的な増加は止まっており、医療崩壊が加速度的に進むような状況は脱しているものと思われます。
で、日本ですが、我が国は、当初の増加速度を極めて緩やかにすることに成功していたのですが、ここにきて増加速度が立ち上がっており、新規感染者数で韓国を追い越しております。
これは、最初の節で述べました、3月28日ごろの立ち上がりによるものであり、その原因が検査強化によるものであるならさほど心配する必要はないのですが、その他の要因によるものである場合は注意が必要です。
いずれにいたしましても、ここはまだ油断することなく、今一段の気の引き締めが要求されるところでしょう。