新型コロナ感染状況の4/14版です。
我が国の状況
本日正午時点での厚労省の集計(国内分)では、感染者数が昨日から311人増加して累計7,509人、死亡者は7人増加して累計109人となっております。
倍化日数は、累積感染者数と累積死亡者ともに昨日と変わらず、前者が8日、後者が16日となっております。新規感染者数の倍化日数は、昨日より1日延びて、累積感染者数と同じ8日となりました。
以前は、死亡者数の倍化日数は感染者数の倍化日数より短かったのですが、3/29に反転が生じ、この差が徐々に開いて、4/3頃には現在の形になり、その状態を今日まで保っております。
感染者数の倍化日数と死亡者数の倍化日数の間に明らかな差があるという意味は、致死率が減少していることを意味しているのですが、軽症患者がより多く検出されるようになっても同じ現象が生じます。
検査数が明らかに増加している一方で、新型コロナの治療技術が進歩したというニュースは特になく、現在生じている感染者数の急拡大は検査数の増加に起因する可能性が高いものと思われます。
この事実は、感染者数の急拡大が見かけのものであることを意味するという意味では良いニュースですが、倍化日数16日といえども、死者も引き続き指数関数的な増加を示していることから、そうそう安心してよいような状況でもなく、引き続き感染の抑制に最大限の努力が求められているという現状には、何ら変わりはありません。
世界の状況
厚生労働省の発表による世界の状況です。感染者数、死亡者とも、増加は頭打ちとなっており、前日比10%以上の増加を示す赤字部分が少なくなってきております。
なお、これまでの表でポルトガルとブラジルの人口が入れ違いになっていたことが判明しました。お詫びして訂正するとともに、過去の表につきましても逐次修正する予定ですが、これらを使用する際は、修正済みであることをご確認の上使用されるよう、よろしくお願いいたします。
感染者数と死亡者数の比率
死亡者一人あたりの感染者数と人口百万人あたりの死亡者数に対してプロットした図を下に示します。この図から、各国の状況がおよそ見えてまいります。
下図は、同じプロットを一月前の3/14の数値に対して行ったものです。矢印は、これから一月間の変化です。
縦軸の人口百万人あたりの死亡者は累積ですので上にしか動きません。中国は、3月中旬の時点で、ほぼ新規の死者の発生をゼロに近いレベルに抑えており、一か月後も同じ点にとどまっています。
米国の死者は3桁に近い増加を示しております。フランス、スペイン、オランダなども、米国に近い死者の増加を示しております。
日本と韓国も死者を増加させているのですが、米国やヨーロッパに比べればその速度は相当に抑制されております。
横軸に関して、日本と韓国は異なる動きをしております。韓国は、当初の爆発的な感染増大に対して検査の強化で対応しており、当初は死者数に比べて多数の感染者を発見しております。これが奏功したためか、一か月間の死者の増大は低いレベルに保たれております。ただし、その後は検査を緩めたためか、感染者と死者の比率は他国並みに低下しております。
日本は、欧米に比べれば死者の増加を抑えております。図では韓国より高いペースで増加しているように見えますが、これは対数グラフだからであって、増加幅では我が国は十分低いレベルに保たれております。
日本の感染者と死者の比率は、3月中旬には低めのレベルにありましたが、一月後には高いレベルに上げてきている。これは、検査強化により、軽症の感染者も検出するようになったものと思われます。
これらの図から言えることは、我が国の対応は、そこそこうまくいっているということであり、これまでの対応をされた関係者は称賛されてしかるべきでしょう。
ただし、死者は依然増加しておりますので、さらに検査強化をするとともに現在の濃厚接触を抑制する対応を続け、新たな感染者、そして死者の発生をゼロにすることが肝要かと思います。