新型コロナ感染状況の4/24版です。
我が国の状況
本日正午時点での厚労省の集計(国内分)では、感染者数が昨日から434人増加して累計12,240人、死亡者は19人増加して累計317人となっております。
このところ、累計の死亡者と当日の増分に矛盾があり、この矛盾部分について、昨日までは増分を正として集計してまいりましたが、本日より累積値を正とする元々のやり方に戻しております。
国内のデータにつきましては、新規完全者数の減少が継続しております。国内の新規死亡者に関しては、データ異常が発生しました4/22に急増しており、判定に用いております7日移動平均値は、この数値が移動平均対象から外れる4/29に急落するものと予想されます。
この減少は、おそらくは、(集計の遅れなどによる)異常値と考えられ、増加・減少を議論するベースデータとしては少々問題ではないかと思います。
この問題に関しては、後ほど議論することといたします。(さしあたりこれが問題になるのは4月29日の死亡者急減によると思われます。よって、この時点まで、対応は先送りしたいと思います。)
新規死亡者の7日平均線は依然上昇を続けておりますが、感染と死亡には14日程度のタイムラグがありますので、月末頃には、日々の死亡者数も減少に転じてくれるのではないかと期待しております。
世界の状況
厚生労働省の発表による世界の状況です。累積感染者数上位32か国のデータを示しています(次節も同じ)。世界の新型コロナ感染拡大は、引き続き落ち着いた動きをしております。
感染者数と死亡者数の比率
死亡者一人当たりの感染者数(これは、致死率の逆数に相当します)に対して人口百万人あたりの死亡者数をプロットした図を以下に示します。
この図の縦軸は、人口百万人あたりの死亡者数ですから、国ごとの深刻さを比較することが可能であり、縦軸だけをみると、欧米諸国の死者が多く、アジア諸国の死者が少ないことが読み取れます。
横軸は、一つには致死率を示しており、左側で致死率が高いことを示しております。死者数の多い国で致死率が高くなっていることは、医療崩壊が発生しているか、これに近い状態となって、充分な治療がおこなえない可能性を示しております。
また、検査数が少ない場合、重症者に対してのみ検査が行われ、無症状者や軽症者に対する検査がなされていないことも考えられます。この場合は、見かけの致死率が増加し左側のデータとなります。
一方、検査を多数行うと軽症者も感染者にカウントされるため、見かけの致死率は低下してグラフの右側にプロットされます。このグラフから読み取れることは、右側の点は上にはいかない、致死率が低い国では百万人あたりの死亡者も少ないことが分かります。これは、充分な検査により、死亡者を押さえることができているものと思われます。
4/25追記:累積死者数にジャンプがある問題ですが、累積死者数から計算した新規死者数を「死者1」、それぞれの日の新規死者数として発表された数字を「死者2」として新規死者数を集計することにしました。
下図の点線がこれまで用いていた死者1のデータですが、ジャンプの存在によりピークの判定には適しません。そこで、日々の値ベースの死者2が注目されるように、こちらを実線で表示しています。
さらに追記:陽性率が大事との記事がありましたので、これもプロットしてみました。オレンジの線が陽性率で左の軸が%単位の値を示します。
3/27頃までは5%前後で推移していたのですが、その後急に上昇して10-15%付近で上下しています。上のリンクでは7%程度に保たなくてはいけないといっておりますが、さてどうなりますでしょうか。