新型コロナ感染状況の5/11版です。
我が国の状況
本日正午時点での厚労省の集計(国内分)では、感染者数が昨日から68人増加して累計15,630人、死亡者は8人増加して累計621人となっております。
新規感染者数は7日平均値でも105人と、間もなく100人を切るところまで来ております。PCR検査は毎日4,000件ほど実施しておりますので、陽性率は2.5%程度まで低下しております。
1日当たりの新規の死者も、間もなく10人を切る勢いで、このまま参りますと、今月末の非常事態宣言解除の可能性は、かなり高いものと思われます。
ただし、その先で気を緩めて一気に悪化するようなことがありますと、何をしているかわからなくなるのですが。
世界の状況
厚生労働省の発表による世界の状況です。
感染者と死者の増加率の欄は、1%以下を示す青い数字が多いのは良いのですが、メキシコの感染者数とエクアドルの死者の増加率が10%以上となりました。エクアドルはこのところ異常な数字が続いておりますので、この死者の増加率も信頼性に乏しいかもしれません。
感染が拡大している地域
感染者の増加率(昨日から今日までの増加率)に地域差が認められますので、これをグラフに表示してみました。
ヨーロッパ諸国の増加率は、軒並み低い値に維持されているのですが、オレンジ色で表示した南アメリカの国々と、アジアではインド、パキスタン、中東ではサウジ、カタール、UAEといったアラビア半島の国々で、感染者、死亡者とも増加率が高くなっております。
南半球の国々は、これから冬に向かいますので、これが新型コロナの活動を活発化していることが考えられます。アラブ諸国やインド、パキスタンは、いずれも気温の高い地帯で、現在も気温が高いはずであり、気温低下による活発化は考えにくいのですが、これらの地帯で感染が拡大しているという事実は気に留めておいた方がよさそうです。
5/12追記:気温の高い地域で死者、感染者共に増加している理由ですが、これは、ここにきて、欧米諸国や日本の気温が上昇しているため、死者、感染者の増加が低下したと考えるのが良いかもしれません。
つまり、インド、パキスタンやアラビア半島諸国は、元々気温が高く、昨今特に気温が上昇したわけでもないため、元々の死者、感染者の増加率が保たれているということですね。そして、欧米の増加率が低下したため、これら高気温地帯の増加率が目立つようになった、と。
こう考えますと、新型コロナの流行には、気温が一大因子となっており、気温が上昇すると勢いが弱まる一方で、気温が低下すると再び猛威を振るう可能性が高いといえそうです。
もしそうであるなら、これから気温が上昇すると我が国の新型コロナの勢いは衰えるかもしれませんが、この期間に気を緩めることなく、秋冬の気温低下に備えなくてはいけない、ということになります。
これに備えるには、ベッド数の確保や人工呼吸器、要員の確保などの医療機関サイドの準備や、マスクをはじめとする様々な必要物資の備蓄、そして何よりも、市中の感染者を見つけ出して隔離し、国内のコロナウイルス感染源を絶つといった施策が必要でしょう。
オリンピックというところまで視野に入れるなら、この対策は我が国一国ではなく、全地球的になされなくてはいけない。果たしてそんなことができるのか。前途多難ではあります。