長谷川一氏の8/5付けBLOGOS記事「歴史は、くりかえさないが、韻を踏む」にコメントしました。
旧日本軍のDNAを最も色濃く引き継いだのは、山本七平氏の指摘するように、日本の左翼でしょう。
「統帥権」を「憲法9条」に置き換えれば、言っていることはほとんど同じに聞こえないこともない。
旧日本軍(及び我が国の左翼)の問題は、村上春樹氏も指摘するように硬直化したものの考え方で、戦前においては国体思想をベースとした世界観を動かすことが難しいという問題がありました。
戦後左翼の問題は、マルキシズムなり共産党思想で、これが結局社会党の弱体化を招いたということではないかな? 「進歩的知識人」などという言葉が長年大手を振ってきたのは、横から見ていても全く恥ずかしい限りです。
これらの思想の失敗はとうに明らかになったというのに、我が国の左翼は、これらの思想から完全に離別したとはいいがたい。いまだに、ハッキリと転向した者はごくわずかなのですね。
そういう意味では、自民党政権はずっと柔軟な、リベラル本流の考え方でやってきたのですが、中枢部にお年寄りが多くなり若い人の自由な発想が生かせなくなると、昭和の左翼なり戦前の日本軍と同様に硬直化してしまいます。
現時点でもこれが大問題であって、最もわかりやすいのがGoToキャンペーン。明らかに間違っていると分かっていても【転進できない】。
しかもその結果、国民に甚大な犠牲が予想されるとしても、これを回避できない。終戦間近の日本と同様な状況がそこにある。
まあ、こんな時代はじきに終わるとは思いますが、その過程で出るであろう犠牲をいかに最小化するか。これが我々に課せられた課題だ、ということでしょう。
人間の脳は古い脳が感情をつかさどり、新しい脳、新皮質により教育により理性がつくられる。
しかし、どんなに教育がたかく理性的見えようと古い脳、すなわち感情が基本にありそれはかわらない。
感情、すなわち本能とは人間が一番最初に獲得した生存プログラムであり、ここはROM化されている。
歴史は西欧の歴史ばかりと非難されることもあるが、しっかり残しているのがそこしかない。
しかし人類の宝である知識の宝庫だ。
日本史と世界史は深く学ぼう。
現代の問題にある例はすべてローマ時代の繰り返しといってもいい。
たとえば、有名なカエサル(シーザー)はなぜ帝国に向かうことになったのかといえば、領地の拡大により、大規模経営農業が発展して、昔の家族でやっていた自営農が、やっていけなくなったからだ。
すなわち、過去勢力である自営農とカエサルの大規模経営農業の熾烈な争いがあったのだ。すなわち経済戦争なのだ。
まるで現代の日本の姿ではないか?
ちなみに古代といえば経済はイコール農業のことだ。
感情はエネルギーで資本。
理性はコントロールで法。
これによって社会はまとまる。
わたしが感情を大事にするのもそのためだ。
これが人間の変わらない部分の大本であり、ここを理解できなければ本当の合理性は理解できない。
感情をすてることが合理性だとのたまわっている経済学者に本当の合理性は理解できない。ゆえに彼らはいつでもリーマンショックのようにミスリードを行い間違える。
歴史は繰り返すよ。
なぜなら人間の生理的機能は2千年ぐらいでは進化せず同じだから。
ローマ時代のポピュリズム政策として有名なサーカスとパンはいまだに通用する。
それこそ、ハードSFにあるクロックアップや記憶容量の追加が人体に直接できるようになるまで大きく同じように繰り返す。
人間の行動は偉い人から凡人までくりかえす。
だから歴史を学ぶ(韓国のそれとは意味が違う)ことにいみがあるんだ。
但し、技術に関してはくりかえさない。
だから、繰り返す。しかし螺旋状にである。
故に文系の科目は古いものから学び、理系の科目は最新のものから学ぶひつようがある。