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ロイターの10/30付けBLOGOS記事「アングル:自動車各社、CO2削減達成に及び腰な事情」へのコメント

ロイターの10/30付けBLOGOS記事「アングル:自動車各社、CO2削減達成に及び腰な事情」にコメントしました。


まず、雇用の問題などは、自動車業界自体の問題であり、これがEV化を否定する理由にはならないと思わなくてはいけません。

問題は、EVといえどもエネルギーを消費していること。内燃機関の燃料はガソリンのような地下資源以外に、バイオエタノールや再生可能エネルギーで作られた合成燃料によって動かすこともでき、結局はエネルギー効率の問題なのですね。

で、電気自動車とガソリン車のエネルギー効率については以前も書きましたけど、清水浩氏の著書『温暖化防止のために』によれば、電気自動車の効率が「化石燃料→発電(53%)→送電(96%)→充電(85%)→モータ(80%)」の計35%であるのに対し、ガソリン車の効率が「化石燃料→精製(92%)→輸送(98%)→エンジン・機械損(9.6%)」の計8.6%と低いことが問題。でも、エンジン部分の効率を一般的な発電効率の50%以上に高めれば、効率面では良い勝負になるのですね。

上の比較で、エンジン・機械部分の効率が10%以下というのはいかにも低い。モータにしたって100%ではないのだから、機械部分の効率は低くても80%、たぶん90%程度のはず。変速機の効率が悪いというなら、これを改良する手もあろうし、エンジンで発電機を回すハイブリッドや、電池容量を補う「レンジ・エクステンダー」という使い方もできる。

これまでの内燃機関の研究は、小さな容量のエンジンで大きな出力を得ることに注力されてきた印象があるのだけれど、効率改善も実は大きなテーマであり、これが50%を超えてきますと、EV化すべきかどうかという議論にも大きな影響を与えるはずです。雇用や技術の継承を考えますと、この研究に残された時間があまりない。それが問題かもしれません。

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