池田信夫氏の6/3付けアゴラ記事「『内部留保』を減らして『一億総株主』を実現する税制改革」にコメントしました。以下、その内容と解説をご紹介いたします。
配当は、企業利益の処分として行いますので、利益の出た段階で法人税が課されるのはやむを得ない側面もあります。支払利息が最初から経費であるのとは、原理的に異なるのですね。
でも、配当所得への課税により結果的に二重課税になることを回避するという意味で、支払った配当を損金算入するという制度にすることは妥当で、現在も企業の受取配当を益金不算入としているやり方を反転すればよいのですね。
配当を経費として認めると、増配により節税が可能となりますので、企業は配当を増す方向に動く可能性が高く、結果的に株価上昇が期待できます。
アベノミクスが評価される一つの要因が株価の上昇でしたから、この制度変更はキシダノミクスとして評価されるかもしれない。岸田氏にもそれを選ぶ動機は十分にあります。
以上がアゴラへのコメントで、以下はブログ限定記事です。
池田氏のエントリーの後半は、一昨日のこのブログ記事と似たような主張を含んでおります。まあ、そういうことがありますので、私のこのコメントは、批判ではなく、応援のようなコメントです。駄目なものは駄目だけど、良いものは良い。これが私の基本的姿勢ですから。
この制度変更は、さしあたりは、法人税制の手直しだけで可能なのですが、将来的には金融資産収入を含めた総合課税への移行が、公平な税制という意味から好ましいはずで、マイナンバーも本当の目的はそこにあったのだろうと個人的には考えております。
今日の我が国の所得税は、給与所得者に圧倒的に不利であり、金融資産収入の多い資産家には有利な税制となっております。これを均すだけでも、金融資産に対する増税分を、所得税減税や社会福祉費用に充てることが可能となるはず。資産家からの不満が出ないよう、法人配当税制の改正と合わせてこれをおこなえば、株価の上昇が増税分と打ち消してくれるかもしれません。
まあ、楽観的といわれるかもしれませんが、、、
キシダニトウシ