3/15付けYahoo転載のロイター記事「UAEフジャイラで石油積載一部停止、無人機攻撃受け 主要輸出拠点」へのコメントです。
アラブ首長国連邦(UAE)東部フジャイラで14日、ドローン(無人機)攻撃と火災の発生を受け、一部の石油積載作業が停止したと、業界関係者が明らかにした。フジャイラはバンカリング(船舶燃料供給)と原油輸出の主要な拠点。
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ホルムズ海峡の外側に位置するフジャイラからは、世界の需要の約1%に相当する日量約100万バレルの原油が輸出されている。
フジャイラは、ホルムズ海峡からインド洋側に出た「オマーン湾」にある石油積出港で、アブダビのハブシャン油田の原油をホルムズ海峡を迂回して輸出するための「ハブシャン-フジャイラ・パイプライン」の一端に相当します。日本は、UAEから日量100万バーレル余りの原油を輸入しているのですが、この大部分がフジャイラ経由と思われます。
今回、フジャイラへの攻撃がありましたことから、ホルムズ海峡の手前でも、必ずしも安全ではないのですが、ホルムズ海峡の向こう側よりは安全性が高いものと思われます。日本にとりましては、フジャイラの安全を確保することが最優先課題となるでしょう。ここからのタンカー積み出しが可能な程度の安全性が確保されれば、不測の事態に備えるため、フジャイラ防衛への自衛艦派遣も選択肢となるでしょう。何分、これは自衛のための軍事作戦であり、他国に対する武力攻撃ではないことから、憲法上の問題もないはずです。
我が国の原油輸入先のもう一つの重要国は、サウジアラビアで、こちらも紅海側に石油積出港である「ヤンプー港」を持ち、東部油田地帯との間をパイプラインで接続しております。このパイプラインの輸送能量は、サウジの原油生産量1200万バレル/日の半分強である700万バレルとされております。ただし、サウジの国内消費分もあり、輸出はそのうちの500万バレル/日程度と言われております。我が国のサウジアラビアからの原油輸入は、日量100万バレル弱ですから、全量ヤンプー港から輸入することもできそうです。
となりますと、イランの問題が長引いた際に、我が国が石油危機を回避するためには、紅海の安全航行を確保し、ヤンプー港を防衛することと、ホルムズ海峡の手前にありますオマーン湾の安全航行確保とフジャイラ港の防衛ということになります。
紅海につきましては、フーシ派の商戦襲撃事件が頻発しておりますが、我が国のタンカーに関しては今のところさほどの危険もなさそうです。一方、オマーン湾に関してはフジャイラが攻撃を受けていることから、現状ではハイリスクと思われます。こちらの安全確保を、まずは米軍に依頼し、安全との判断が得られた段階で、自衛艦の護衛の下で我が国のタンカーが原油積み出しを再開する。これが現実的な対応ではないかと思われます。
幸い、来週には高市・トランプ会談が予定されております。この辺りの詰めをきちんと話し合われることが肝要ではないかと思います。また、これを将来の齟齬なくとり進めるためには、事前の日本側の関係者間で、十分な意見のすり合わせが必要でしょう。あまり時間がありませんので、効率的な取り進めが要請されるところです。