コンテンツへスキップ

中東事態への日本の正しい対応

黒坂岳央氏の3/18付けアゴラ記事「『ホルムズへ護衛艦の派遣するな』は正しいのか?」へのコメントです。


日本のエネルギー自給率は極めて低く、輸入原油の約8割がホルムズ海峡を通過する。この海峡の安全は現実には米海軍が維持しており、日本はその恩恵をただで享受してきた。これを「平和主義」と呼ぶのは正確ではない。「安全保障のタダ乗り」である。見方を変えれば「すでに用心棒代は払っているので当然の権利」という意見もありそうだが、とにかく自国でカバーしている状態ではないわけだ。

この問題を議論する際には、二つのポイントに配慮する必要があります。第一は、憲法上の問題であり、紛争地域への自衛隊の派遣が許されるか否かです。私の解釈では、これは許されない。そしてこの憲法を我が国に押し付けたのは米国自身であり、このことに関してトランプ氏が文句をいう筋合いはない、ということなのですね。

第二に、我が国が輸入する原油の8割がホルムズ海峡を通過していることは確かです。だけど、ホルムズ海峡封鎖リスクは以前から認識されており、ホルムズ海峡を通過しない代替手段もすでに確保されております。つまり、一部の油田からは、ホルムズ海峡を通らずともたどり着ける港までパイプラインが敷設されている。平時はあまり使っていないのですが、ホルムズ海峡通過が困難となった今、この代替手段を使わない手はありません。

我が国が輸入する原油の44%を占めるUAEからは「ハブシャン-フジャイラ・パイプライン」により、ホルムズ海峡の外側、オマーン湾に面したフジャイラ港から、日本のUAEからの輸入量にほぼ匹敵する日量100万バーレルの原油を輸出することが可能です。もちろんこの全てを日本向けとすることは難しいでしょうが、一部でも入れていただければ、備蓄原油の枯渇時期を先延ばしすることができます。

我が国が輸入する原油の40%を占めるサウジアラビアからは、東部油田地帯の原油を紅海に面したヤンプー港まで輸送するパイプラインがあり、サウジの原油生産量1200万バレル/日の半分強である700万バレル/日が出荷可能です。ただし、サウジの国内消費分もあり、輸出はそのうちの500万バレル/日程度と言われております。我が国のサウジアラビアからの原油輸入は、日量100万バレル弱ですから、全量ヤンプー港から輸入することもできそうです。

これら二つの港は、ホルムズ海峡を通過する必要はないのですが、まったく安全というわけではありません。フジャイラにはイランのドローン攻撃が何度かあり、その都度操業を停止しています。紅海にはフーシ派の海賊が出没しております。これらに対してタンカーの安全を守るためには、護衛艦の派遣が必要でしょう。日本船舶の護衛であれば、自衛艦の派遣に憲法上の問題も生じないはずです。これで実質、十分な原油が確保されれば、さしあたり日本の問題はクリヤーされます。

ホルムズ海峡に関する日本の国際的貢献としては、交戦状態が終焉したのちに、ホルムズ海峡の機雷掃海などで貢献する道を検討すればよいのではないでしょうか。平和憲法制定が米国の意思が強く影響していたことをトランプ氏に思い出させれば、そうそう無茶も言わないのではないか、私には、そんな気がいたします。

ここは、高市氏とトランプ氏の良好な関係を生かし、双方に良い結果をもたらす道を探るのがよいでしょう。そして、イラン、UAE、サウジアラビアにも、きっちり話を通して、我が国にとって都合の良い形に事態を持っていくこと、これこそが政治指導者に期待される役割というものです。

高市氏ならきっとやってくれる。日本の国民といたしましては、そのように期待して、事態を見守るのが宜しいのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です