アゴラ編集部の3/20付けアゴラ記事「トランプは「真珠湾」の皮肉で誰が主人かを思い知らせた」へのコメントです。
サミットの中心にあるパラドックスは、同盟システムの中心にあるパラドックスだ。日本は主要経済国の中でホルムズに最も依存している。日本はアメリカが起草した憲法のためにホルムズを防衛できない。アメリカは日本に踏み出すよう要求し、日本は軍艦の代わりに金、鉱物、ミサイルを提供し、トランプはそれを受け入れた。
この路線は、我が国が主体的に選択している路線でもあるのですね。日本は、戦後一貫して平和憲法の下、武装放棄の建前を守り、軍備への支出を抑えて経済発展を成功させた。このベースには、米国による平和憲法の押し付けがあったのですが、米国が一方的に日本を守るという状況には不満が高まり、経済負担を要求されている。これはある意味当然の要求でしょう。一時的にせよ、日本が米国を上回るような経済発展をしてしまった以上、ただ乗りはお断り、という感情が米国サイドに沸くことは、やむを得ないといえます。
日本人の中には、この状況が不満な人もいれば、この平和がいつまでも続いてほしいと願う人もいる。これは、日本人自身が選択すべき問題で、トランプ氏に文句を言っても始まらないのですね。つまり、国内政治の舞台で日本の路線を選ばなくてはいけない。平和憲法を改正するか否か、どこまでの武力の使用を日本政府に認めるのか、これを、日本国民が決めていかなくてはいけない。これは、今回の日米交渉とは全然別の議論になります。
今回高市氏がすべきであったことは、あくまで現行の憲法と、現行法の枠内で、いかにして我が国が経済発展を遂げるか、国際社会において我が国とその国民が尊厳を勝ち得るか、日本国民の生命財産の安全をどのように守っていくか、といったことであり、その決め手は日米関係を良好な状態に維持することなのですね。少なくとも、今回の日米会談のシーンにおいては、重要な点はそこにありました。
そして、高市氏がこれに専念する一方、我が国のマスメディアはいかに日米関係を破壊するかに専念しているようにしか見えない。そのような質問に対して真珠湾を持ち出すのは、トランプ氏の十八番のようなものです。つまり、「立場をわきまえよ」ということですね。そして、高市氏は十分に立場をわきまえて行動している。トランプ氏が真珠湾を持ち出して責めたのは、日本のマスメディアだったのですね。まあ、国辱ものではありますが、みっともないのは、我が国の報道関係者ですから、間違ってはいけません。
石油資源の入手に関しては、また別の作戦を考えなくてはいけません。これは、日米関係だけでなく、日本とアラブ諸国の関係の中で考えるべき問題であり、今日のアラブ諸国間の関係が複雑化していることから、まずは十分な情報収集をしなくてはいけない。サウジアラビアとUAEに対しては、我が国は、特に緊密な情報交換に努めなくてはいけないし、場合によってはこれらの国の原油積み出し施設の防衛を一部負担することも考えなくてはいけません。これもまた、現行法と憲法の枠内というややこしい問題があり、政府部内の知恵者の助けを借りて慎重に取り組まなくてはいけない問題なのです。Noというのは比較的簡単なのですが、何事かをしようと思えば、相当な熟慮が必要なのですね。