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二重否定

MechaAG氏のブログでは、“Nobody don’t like me. ”のように、否定語が二つ重なる二重否定を否定であるとしていますが、これは誤解と思われます。

ここで紹介されているWikipediaによれば、二重否定の解釈として、元来の英語は否定と解釈する否定呼応であったものが、18世紀に否定の否定は肯定であるとの理屈を主張するものが現れ、以下のようになったとされております。

これにより英語は否定呼応を用いる言語から緩叙法を用いる言語へと半ば強制的に変換させられた。

現在各国の標準英語でも上記の見解が踏襲されており、否定語を二回使用することは肯定であるとされている。

としております。

理屈屋には困ったものですが、その理屈が通ってしまった以上、理屈通りとするしかありません。二重否定は肯定であると解釈しないわけにはいきません。(日本語は、最初から理屈通りです。)


2019.3.4 追記:本件、Google 翻訳では、二重否定文を否定として翻訳しています。

Wikipedia も時々間違ったことを書いておりますし、Google翻訳が正しいという保証もありませんので、上の記述が正しいかどうかは疑問です。

もっとも、言葉というものは、人により違った形に解釈されており、上のWikipediaが正しいとしても、「標準英語」が必ずしも多くの人々に使用されてはいない可能性もあることから、ここでは判断を保留することにしたいと思います。


2019.3.6追記:MechaAG氏の反論が出ております。この方、かなりエゴサーチを掛けられているのですね。私がこの方のブログをチェックしているのは、某プロブロガー関連情報を収集するためなのですが、、、

ただ、MechaAG氏も多少の思い違いをされているようですので、以下、補足しておきます。

まず、MechaAG氏が引用されているWikipediaの記述は、二重否定を否定形として使う用法は存在するのだが、これは古い英語の用法で、現在の標準英語では二重否定は肯定と解釈されるということなのですね。

しかしながら、二重否定を肯定とするルールは「民衆レベルには浸透せず、結果として緩叙法をルールとする「標準英語」と、黒人英語のように否定呼応をルールと」する二つの流儀が残されて混乱が生じている、ということです。

このエントリーの私の最初の記述は、このWikipediaの「標準英語」に従って書いたものでした。

ただそのあとで、民衆レベルというのがどの程度かと、Google翻訳をチェックしたところ、こちらは二重否定を否定としており、民衆レベルがかなり広い範囲を指すと考えられたことから上の追記を行いました。

要はこの部分、「混乱している」という理解にとどめ、さしあたり論文などでは、二重否定を使わないのが安全、ということでしょう。


2019.3.7追記:MechaAG氏が反論されています。まあ、反論というよりは、立場の違いでしょうか。

それにしてもMechaAG氏、「当たり前だからいちいち書いてない」は、ないような気がしますけど、これも一つの流儀といわれたら受け入れるしかありません。

ネットコミュニケーションで私が重要と考えていることは、普遍性を心がけること。文化的な土台が異なる人とも正しくメッセージが交換できることが大事なのですね。

そういう意味では、「標準英語」がある以上は、これを正とするしかない。

もちろん、これは真実を伝える必要がある場合の話であって、歌の文句なら、方言や特殊な文化環境の中でつかわれる用法があっても構わないのは当然の話。いっさいの例外を許さない、などと言う気はさらさらありませんので、その点はお間違いのないようにお願いします。