新型コロナをめぐる状況が風雲急を告げてまいりましたので、これまでのエントリーに追加するのではなく、新たなエントリーとしてご報告いたします。
我が国の状況
まず、我が国の状況ですが、昨日感染者が急増し、累計1255人となっております。感染者倍増に要する日数は14日にまで延びておりますが、2週間ごとに感染者が倍増するという状況に変わりはありません。
日々の感染者数につきましては、元々変動が激しいということがあり、7日平均で評価しておりますが、こちらも52人と、一段と高い人数になっております。なお、3/25日版のデータに誤りがあり、急増は25日より始まっております。
検査数につきましては、次節にあります厚労省発表の数値をこちらに入れております。厚労省発表の数値は公的機関で行われた累積検査数で、日々の検査数にすると変動が激しいため、こちらも7日平均で評価しております。
累積感染者とほぼ軌を一にして日々の検査数が増加しておりますが、これは、検査をしたから感染者が増えたということではなく、感染者が増えたために検査対象となる濃厚接触者が増加した、という因果関係ではないかと思われます。
なにぶん、検査数が増加している期間でも、日々の感染者がほとんど変化していないケースが多々あります。これは、検査体制の整備に応じて検査数が増えているけれど、感染者は増えていないという意味で、検査数を増やせば感染者も増えるという論理は、一応、否定されております。
なお、3月の上旬に感染者が急増しておりますが、このころは世界的に感染者が急増した時期にあたり、我が国特有の現象でもありません。また、感染者の増加から数日遅れて死者が増加していることも、感染から死亡までにはある程度の日数がかかることから、これもまた合理的といえるでしょう。
現在の日本、危機的な状況に入りつつあるようにも見えます。
世界の状況
次いで世界ですが、厚生労働省の発表では、我が国の感染者増加率が、前日の5%台から8%台に急増しているほかは、これまでとほぼ同様の状況となっております。米国の感染者増加率22%をはじめ、欧米の感染者増加率は軒並み20%前後の高い値となっております。
感染者数の国別ランキングでは、我が国の順位は27位と、昨日も一つ下げておりますが、他国の増加がより多いというだけの話で、あまり喜ばしいとも思えません。
米国の危機的状況
NYTの現在の集計によりますと、米国の累積感染者数が、イタリアはおろか中国の累積感染者数を上回る、81,578人となっております。
日本も大変な状況にはなっておりますが、米国およびヨーロッパの状況は、これとは比較にならないくらいに大変な状況となっております。海外、特に欧米の動きからも目が離せません。
打つべき一手
「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」なるサイトが開設されていますね。この右下のグラフが、痒い所に手が届く様な、素晴らしいグラフです。
つまり、社会・経済活動の制限を全く行わないと、感染者が増加して、「医療崩壊、二次的社会崩壊」を招く一方、社会・経済活動の制限を厳しくして、イベント禁止、完全休校、外出の禁止から、都市の完全封鎖まで行きますと、社会経済が崩壊してしまう。
最適点はこの中間にあり、医療体制を拡充すると最適点をより右側にもっていく、つまり、社会・経済活動の制約をより緩めることができる、としております。
この考え方には、全く賛成です。いずれにいたしましても、医療の体制を強化することは、思わぬ感染拡大による医療崩壊を防ぐという意味でも重要なポイントでしょう。
そして、現在の社会・経済活動の制限がやりすぎなのか、緩すぎるのかは、現在の感染拡大状況を注意深く見守ることによって判定することができる。そのためには、現実を客観的な視点で見守ることもまた重要でしょう。本サイトはこの面で、何らかの貢献をしてきたいと考えております。