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何を目的とするか、が問題では

池田信夫氏の10/18付けアゴラ記事「『コストプッシュ・インフレ』という謎理論をまじめに考えてみた」へのコメントです。


これは、財政政策が何を目的とするか、という見解の相違であるように思われます。

つまり、「コストプッシュインフレ」を問題にする人は、「家計」なり「国民福祉」を目的と考える一方、これに意味を見出さない人は「物価の制御」を目的と考えているのでしょう。

今話題の揮発油税でいえば、ガソリン価格が上昇すると、広範な物価上昇を招き、家計が苦しくなる。家計を考えれば、ガソリンにかかる税を減税してガソリン価格を下げればよいのですね。

でもそうすることで、ガソリン価格が低下すれば、ガソリンの消費が増え、ガソリン価格が上昇する。ただし、この上昇は、減税以前のガソリン価格ほどではないはずです。そこまで行ってしまうと、消費の増は生じないはずで、供給の増だけが残っているはずですから。ですからトータルして、家計を助けるという当初の目的は、一応、果たされているわけです。

なお、これらの対策は一時的効果に過ぎず、最終的な国民の(経済的)福祉改善は、国内の生産性の向上、すなわち、国民一人一人が創造する価値の向上によるしかありません。これを効果的に実現するのが技術革新であり、優秀な人材とこれを有効に使いこなす社会制度がこれを可能とします。国民の福祉改善は財政政策でどうにかなるものではない。これに関しては、池田氏のご意見は正しいと思います。

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