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隠ぺいなどなかったと思うが?

與那覇潤氏の10/21付けアゴラ記事「隠蔽された『8割削減』の真実:やはり、それは2度目の "満州事変" だった」へのコメントです。


2020年4月、当初は “専門家がエビデンス・ベースで” 発案したように報じられた「接触8割削減」の政策の、完全な無根拠ぶりが立証されているからだ。

「接触8割削減」という目標は、相当にラフな数字であることは、最初から明らかにされておりました。今更「立証」するも何もないと思いますが。

一人の感染者から、他人に感染する感染症の感染拡大の程度は、一人の感染者が何人の感染者を生むかというパラメータである「再生産数」で与えられます。再生産数が1を上回る場合、患者数はどんどん増えてパンデミックとなる一方、これを1未満にすれば、患者数は徐々に減少し、沈静化するのですね。コロナの再生産数は、何もしない場合に2.5という数字がヨーロッパの経験から得られておりました。つまり、何もしなければ感染は指数関数的に拡大する。これを感染拡大しない1以下の値にするには0.4を乗じればよい。接触数を6割減らせば一人の感染者が生む感染者数は1以下となって感染拡大は生じない、という計算だったのですね。

で、なんで6割減で良いのに8割減にせよといったかというと、「いうことを聞かない人がいる」ということで、ではさらに半分の0.2倍にしましょう、というのが「接触8割削減」の根拠だったのですね。これ、当初からオープンになっていたと思いますが、いずれにせよ、この程度のラフな数字で対応した。

もちろん、精密な議論ができればよりよかったとは思いますが、諸説ある一方でそれらの根拠が希薄な当時の状況下では、この程度のラフな数字で方向を決めるのも、やむを得ないことだったと思います。そして、結果的に我が国のコロナ犠牲者は、他国に比べても低く抑えられた。結果オーライというべきではないでしょうか。

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