コンテンツへスキップ

打ち損ねた日米同盟へのクサビ

野口和彦氏の11/20付けアゴラ記事「日米同盟と日中関係のトレードオフを直視した安全保障論議」へのコメントです。


それ(引用者注:高市-トランプの「蜜月」による日米同盟の強化)は日米同盟の仮想敵である中国の戦略的立場を低下させることになりますので、北京が反発して、日本を威嚇することです。その主な狙いは、日本に「存立危機事態」の認定を躊躇させることにより、日米同盟にクサビを打つことでしょう。日米関係に亀裂が入れば、台湾有事における日米の共同作戦にも支障が出るのは必至でしょうから、中国は台湾侵攻を日米に邪魔されにくくなる結果、それを有利に遂行できる可能性を高められるのです。

この着眼点は面白いですね。特に「『存立危機事態』の認定を躊躇させることにより、日米同盟にクサビを打つ」は、これこそ岡田氏が国会質疑で狙ったことであるように思えます。そしてその目論見は見事に外れた。

そこまでは良いのですが、この高市答弁に対する中国の反応が、異常なまでに強い、これはなぜかという点が一つの謎となります。考えられる一つの説明は、中国側の遠大な計画に水を差された、ということかもしれません。

つまり、もしも中国が『台湾進攻』を計画しており、日米による邪魔を排除したいと考えておれば、『日米同盟にクサビを打つ』ことは、極めて有効な戦術であり、そのためには、かねてより「台湾有事は存立危機事態」との発言をしていた高市総理の発言撤回も大きな意味があるのですね。それを簡単に蹴ってしまった高市総理に対して、中国が強い怒りを感じるのは、まことにごもっともです。

もしこの仮説が正しいとすると、岡田氏に何らかの形で中国が影響力を行使したか、あるいは、岡田氏が中国に忖度したなどといった形で、岡田氏が中国の利益のために質疑を行ったこととなり、日本の国会議員としては、極めて不適切な行動であったということになる。このような疑いは、岡田氏ご自身が、あるいは立憲民主党として晴らしていく必要があるでしょう。それは、極めて困難であるように思えるけど。つまり、白昼堂々とやっちゃった、ように見えるのだが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です