岡本裕明氏の11/25付けアゴラ記事「思った以上に意見がばらけている21兆円経済対策、どう思う?」へのコメントです。
アベノミクスは1㌦80円台という超円高のもと、景気が前政権を継いでどん底だったから意味があったのです。
アベノミクスの時に行ったのは「(異次元の)量的緩和」で、従来の常識を超えた規模で市中にキャッシュを供給したのですね。これ、名目上は低迷する景気の回復が目的ですが、実のところは、欧米の量的緩和が先行した結果生じた異常な円高を是正して、これ以上の空洞化を止めることが真の目的であった、と私は見ております。たぶんそれが正解でしょう。
では今回の21兆円は何かといえば、景気はすでにかなり回復している。でも、生活苦を訴える国民の声は強く、これまで選挙で3連敗したのは、石破総理の不人気やマスコミ野党が喧伝する裏金問題もあったかもしれないけれど、物価高の直撃を受けて生活苦を感じる人が多かった、という可能性もあるのですね。
何分、我が国は民主主義ですから、経済学者に「とんでもない」と言われようと、ここは国民の声にもこたえなくてはいけない。それが政治というもの、なのでしょう。幸い、企業収益改善の後を追うように、給与も上昇しておりますから、生活苦はそれほど続きはしないはず。21兆円も、そうそう長期にわたって必要にはならないでしょう。
そうして何とかやりくりしている間に、我が国の産業を、新しい、より収益性の高い、高度なものへと切り替えていかなくてはいけない。「帰ってきた日本」にするというのが、高市経済政策の最終課題ではなかったですか。これに関しては、少し長い目で見守るしかなさそうですが。