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世界は複雑にできているのだが

中村仁氏の1/26付けアゴラ記事「米中首脳と市場に嫌われた高市首相は敗北? 勝っても三重苦で八方塞がり」へのコメントです。


ダボス会議(スイス)の期間中、ベッセント財務長官が「米金利の急上昇(米国におけるトリプル安の原因)について、日本からの波及効果を分離して考えることは非常に難しい」(20日)と語ったことです。これは極めて重大な発言で、高市氏の積極財政、飲食料品の消費税ゼロ方針による財政赤字の拡大、長期金利の急騰に不満を示したのです。

ダボス会議中に発生した米国のトリプル安は、米国と欧州の間の亀裂を受けてのことと考えられております。具体的には、欧州の一部ファンドが米国国債売りを示唆したことがあげられます。元々ドルの強みは国際決済通貨であることで、だから米国は世界に赤字を垂れ流すことができるし、いろいろな無理も言うことができる。多くの国、特に経済をけん引する欧州がドルを拒絶したら、米国のこの立場はなくなるのですね。だから、トランプ氏は妥協した。TACOになっちゃった。

そもそも5兆円程度の日本の財政赤字が世界経済にどの程度の悪影響を与えるか、考えてみればよい。昨年夏には、トランプ氏の圧力を受けて80兆円の米国投資を約束したりもしているのですね。ベッセント財務長官の発言は、ヨーロッパの影響で米国がグリーンランド政策を変えたという、弱みを見せないための、ある種の責任転嫁と考えるのが妥当でしょう。

でも、この責任転嫁、悪いことばかりではない。行き過ぎた円安はインフレを招くため、できればブレーキを掛けたいのだが、金利を上げれば日本国債の価格が下落し、金融機関に評価損が発生するし、下手をすると債務危機を招く恐れもある。だから日本の打てる手段は円安放置に傾くしかないのだが、ここにきて米国が円防衛に協調する姿勢を見せているのですね。米国がドルを刷って円なり日本国債なりを買ってくれれば、これほどうまい話はない。まあ、株価は下がるけど、こちらは大目に見るしかないでしょう。

対中政策に関しても、事はいろいろ複雑に絡み合っている。こちらは一つ間違えれば武力衝突が発生し、多くの人が死ぬことになる。こちらに関しては、論じるスペースもなくパスしますが、我が国の野党の方々が何ともお気楽であることに違和感を感じております。

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