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結構まともな高市氏の経済政策

池田信夫氏の2/1付けアゴラ記事「円安でグローバル企業はホクホクだが、国民は貧しくなる」へのコメントです。


何度かご指摘いたしましたが、池田氏は、空洞化と貿易赤字に関して、少々誤解されているようです。

国内投資が低いことは事実だが、それは為替レートのせいではない。高市氏もいうように民主党政権で円高になったとき貿易収支は赤字になったが、安倍政権で円安になっても貿易赤字は続いたのだ(図1)。円安にして国内投資を増やそうという高市氏の目的は間違っている。

貿易赤字が最大となりましたのは2014年で、確かにこの年はすでに安倍政権に移行しており、アベノミクスも始まっていたのですね。でも、貿易収支を黒字化するには、輸出品を作らなければいけないし、その前に工場を建てたり各種手配計画が必要なのですね。2014年の大きな貿易赤字は、2012年まで続いた民主党政権時代の極端な円高による、国内生産工場の海外逃避の影響が続いていたからなのですね。これらの準備が片付きました2015年以降は、貿易収支も急速に改善しております。なお、2020年の小さな落ち込みと、2022年の大きな落ち込みは、それぞれ「コロナ禍」と「宇露戦争に伴うエネルギーコスト上昇」という、明白な理由があります。残念ではありますが、これらは、致し方ないでしょう。

この(工場の海外移転の)ため日経平均株価(グローバル企業が多い)は上がるが、国内の中小企業の業績は不振で、賃金も上がらない。所得収支は国内の雇用に結びつかないので、円安になっても国内の雇用は増えず、実質賃金は下がった。円安は労働者からグローバル企業への所得移転なのだ。

これは、空洞化の結果で、アベノミクスの責任というよりは、民主党政権の招いた極端な円高の結果です。アベノミクスとその結果である円高の是正は、国内に残っておりました工場を守り、労働者の雇用と賃金を守ったのですね。これを恨んだりしたら罰が当たります。

ドル評価をすれば、円安の結果、国内の資産価値は減るしGDPも減るし給与も減る。だけど同時にドル建ての物価も下がるわけで、国民にしてみれば円評価が生活実感なのですね。ならば、国内に稼げる仕事がある円安の方がありがたい。こういう仕事を残しつつ、為替に影響されない強い産業を作る。これが、経済政策の王道じゃないかと思いますよ。そういう意味で、高市氏の考えは、間違ってはいないと思うのですけどね。

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