アゴラ編集部の2/4付けアゴラ記事「高市首相『円安で外為特会ホクホク」発言にみずほ銀行が異例の批判レポート』へのコメントです。
みずほ銀行のこのレポートは、確かに高市氏のナイーブな主張に対して批判的ですが、箇条書き部がこのレポート内容の要約であると誤解される恐れがあり、少々不適切であるように思えます。少なくとも、「円キャリートレード」云々以降は原文にはない部分ですね。この誤解は、みずほの信用を傷つける恐れもありますので、注意が必要です。https://www.mizuhobank.co.jp/forex/pdf/market_analysis/econ2600202.pdf
また、円安の効果と高市氏の評価に関しても、みずほのレポートとこのエントリーから受ける印象は少々異なります。みずほのレポートが下線を付した以下の部分は、一応見ておく必要があるでしょう。
率直に言って、前者(円安がトランプ関税を打ち消す効果)に関しては批判こそあれども事実には違いないだろう。
(円安と円高の)どちらが良いかは分からないし、首相が話すことではない」というのも恐らく本意なのだろう。
外特会の資金に関しては、みずほのレポートは、これは非常事態で使う武器であって、軽々しく使うようなものではないと主張します。でも、この使用を主張しているのは野党であって高市氏ではない。高市氏は「ほくほく」と言っているだけなのですね。非常事態に買い戻せる円資産が多くなるなら、それを「ほくほく」と表現してもよいような気もします。その時点で、含み益が吐き出されますから。
高市発言の問題は、円高で逃げた工場が円安になれば戻ってくるという、単純な見方はナイーブに過ぎる、ということです。そもそも、人件費やエネルギーコストで日本への投資が不利であり、新興国の生産環境が整うなど、為替以外の条件も、工場の海外移転の理由になる。でも、為替も一つの条件であることは事実です。そして、高市氏が主張するのは、「為替に影響されない産業を日本に育てたい」ということで、高い技術力に裏打ちされた利益率の高い事業であれば、為替の影響はあまり受けない。この手の産業で日本を支え、国内雇用を維持するというのは、産業政策の王道であるように、私にも思われました。