中村仁氏の3/7付けアゴラ記事「イラン危機に重なった日米首脳会談は最悪のタイミングで高市首相に難題降る」へのコメントです。
日米首脳会談が今月19日に開かれます。総選挙での自民圧勝、4月のトランプ大統領の訪中に備えた事前調整の必要性などから日程が決まったのでしょう。それが米国が先制したイラン戦争、中東動乱という最悪のタイミングに暗転し、日本の立ち位置の見極めが難しい局面を迎えました。
現在がいろいろと難しい時期であることは否定できませんが、だからこそ、この時点での日米会談の重要性が増している、とも言えます。
まず最初に確認しておかなければいけないことは、日本の置かれた立場であり、この大原則は、トランプ氏にもきちんと認識しておいていただかなくてはいけません。その第一は、我が国は平和憲法のもとにあり、取りうる軍事行動は限られているということ、存立危機事態という考え方はあるけれど、これは極めて限定的に解釈すべきであって、紛争地域への積極的な軍事介入はしないことが大原則。あくまで自衛の範囲から逸脱することはできないということですね。
第二に、我が国にとって最重要課題は、日本周辺海域の安全性を保たなければいけないということ。イランでの軍事作戦進行による中国経済への打撃は、中国の軍事行為にブレーキを掛けるかもしれないけれど、一方でイランにおける米国の軍事作戦展開は、中国にとって台湾進攻のチャンスでもある。台湾問題は、依然、危機的状況にあることを認識しておかなくてはいけません。これに関しては、トランプ氏にも共通の認識をしていただいて、くれぐれも東アジアにおける米軍のプレゼンス低下のなきよう、ご配慮いただきたいところです。
第三に、我が国の特異性を認識すること。我が国は、米国の同盟国である一方で、イランとも対話しやすい関係にある。最後の段階、平和交渉に至った際の仲介役となりうる可能性があるのですね。ここで対米べったりとなりますと、この可能性をつぶしてしまう。米国との同盟関係は大切にする一方で、将来成立すると期待されるイラン新政権との関係を悪化させることも避ける。このためにも、今回のイラン軍事作戦からは、一歩退いた形を保つということを、トランプ氏にも納得していただきたいところです。
こういった話は内々の了解にとどめ、日本としては、イラン政府による市民大量殺戮に抗議し、米国の活動に一定の理解を示すなどの表現にとどめるべきでしょう。あとは、80兆円の対米投資の第二弾あたりをまとめて、日米の友好関係を対外的にアピールできれば、今回の交渉は大成功となるのではないかと思います。あ、15%の関税を負けてもらえれば、国内的にも顔が立ちます。こちらはどうなりますか、あまり楽観はできないのですが。