小説ので出しに、思いもかけない遺産が転がり込んでくる、というのがありますけど、まさにそいつが昨夜の夢、でも、結構、難しいストーリー展開なのですね。
山に近い行楽地のペンション、入り口に近い土間の部屋、街中の食堂のような部屋に兄弟が集まって相談しています。私と私の兄弟の計3名が、突然、遠い親戚の遺産として、このペンションを相続した、どうしようかとの相談です。
誰か、このペンションの経営を引き継がないか、というのですが、誰もやりたがらない。何しろみんな、不自由のない会社員生活、こんな山奥に引っ込んでペンション経営などしたくはありません。
実は私、この部屋に入る前に、庭を見学しているのですね。このペンション、洋風の広い庭が付いています。でも、荒れ果てていまして、コレを手入れするとなると、大変です。その他、建物もかなり傷んでおりまして、この経営、一筋縄ではいかない。
「結局、売るしかないのでは? 土地だけでも大変なものだ」
兄弟の一人がそう呟きます。私も、そうするしかない、と思います。従業員も、そんな結末を予期していたのか、我々にはずいぶんと冷たかった。
土間の部屋に隣接した日本間、少し開いた引き戸から盗み見ると、従業員の他に、常連客が大勢、集まっている様子。中にはこちらを見るヒトも。お線香の香りが漂うところを見ると、この部屋に位牌があるのでしょう。
「もう、ここも、お仕舞いですねえ」喪服姿の常連客の一人が従業員に言います。
「婆様が亡くなってしまっては」従業員も、こちらをちらりと見て、そう、こぼします。
私は兄弟たちと表に出ます。このペンションにはまだ付属施設があったはず。やがて私たちの前には立体駐車場とプールが出現、プールは大勢のお客で混雑しています。
「コレはマズイ」私はそう呟きます。「何かあったら取り返しが付かない」
何しろ、従業員の一部は帰り支度をしてまして、プールの監視もちゃんとなされているのか、全く確信がもてません。
「コレは、すぐに閉鎖した方が良い。とっとと、売るしかないな」
私の言葉に兄弟たちもうなづくのですが、複雑な心境、コレだけのものを売れば、億単位のお金がみんなに転がり込むはず。でも、全然嬉しくないのですね。その裏では、多くの人が傷ついている。
あの~コレ、夢ですからね。私を妬んだり憤慨したりしちゃいけません。
でも、どうしてこんな夢を見たんでしょうね。
株などをしていると、人間悪くなる。テロで喜ぶ売り方もいる。選手の心を考えないプロ野球経営者には憤慨するけれど、私のココロも、似たようなものかも、、、自分で気が付いていないだけで。そんなココロの奥底が、夢に表れたんじゃないかなあ。
『儲かれば良い、というもんじゃない』 このコトバ、座右の銘としたいですね。