ニッポン放送の株式取得をめぐるフジテレビとライブドアの争い、第一ラウンドは、新株引受権差し止め、ライブドア有利の判定内容で先週を終えました。
今週の主戦場は、ライブドアとフジテレビの提携内容を詰める交渉に移りそうです。ここでのライブドアの失点がありますと、第二ラウンド、逆転の可能性もあるのですね。
その失点の一つの可能性は、ライブドアが現実味のない提案をがすること、純技術的には、堀江さん、非常に先を見通しているのですが、企業は現実社会の中で動くもの、不合理な現実も、企業経営の前提となるのですね。
たとえば、デジタル放送について、やり方が間違っている、と堀江さんは言いました。この主張、私もそう思います。デジタル放送、インターネットプロトコルを使うべき。そうすれば、将来のファイバーへの移行も、スムーズに進むのですね。
でもこの社会、遅れた人たち、技術的に無知の人たちも多数いるのが現実で、そういう人たちが、重要な事項での決定権を持っているのも、また事実なのですね。
だから、そういう社会の中でも運営できる、そういう提案をしていくしかないし、馬鹿が多いことに怒り狂った所で、何が前進するわけでもないのですね。
ということを前提に、堀江さんのできそうな提案をまとめ、評価してみましょう。
まず、放送に連動したHPを作ること。これは可能でしょう。ただ、フジ側は、そんなことは既にしている、と主張するでしょう。まあ、それを更に徹底すること、これはフジも否定しないでしょうし、ライブドアにリンクも張れるはず。
討論番組のときに、URLをテロップに出し、ネット経由で投票する。そんな提案を堀江さんはしてましたけど、これを徹底して行うのも、さほど難しくはなさそうです。
でも、これだけだと、特にライブドアの新規の提案、というほどのものでもない。
その次にできることは、ネット経由の放送。ラジオならそれは充分に可能です。これ、ニッポン放送の番組をそのまま流すというのが一つの方法ですが、種々の権利の絡むコンテンツもあり、同じ、というわけには行かないはず。
でも、ニュースや天気予報など、共通に流せる番組もあるでしょうし、音楽も、権利者の承諾があれば流せる。これ、販売と絡めると面白くなりそうです。つまり、ネットで流すなら、URLも流すことができまして、CDの注文やダウンロードも可能、リスナーにとっては音楽なのですが、権利者から見るとCM,どちらにも損がない。
次は、音楽再生とネットラジオ機能を持つ携帯電話の普及を後押しする、商業ネットラジオ協議会などを設立して、プロトコル統一の音頭取りをしましょう。ラジオ局には、ビジネスが拡大するし、携帯各社も電機会社も儲かる、良い話です。
これができると、このやり方、テレビに発展させようというのが次の話になりまして、一つは、テレビ受像可能なパソコンに番組と連動してデジタルデータを送ること、もう一つは、ネット経由でテレビ番組を供給すること。ADSLだと解像度は低いけど、それでも見たい、と思う人は多いはず。ファイバーなら問題にならないでしょう。
このようなハード面での連携が取られると、リスナーはURLを打ち込む必要がなく、番組内容とネットの融合、利用者は爆発的に増えるのではないでしょうかね。で、その一部は、物品の販売、オンラインモールの利用者も増えるだろうし、支払いのための金融機能も利用が拡大するはずなのですね。
さて、この辺までは、堀江さんのことですから、当然考えているでしょうし、私の考えの及ばない、他のアイディアも多数お持ちなのでしょう。
恐らく今週にも行われると予想される、フジテレビとライブドアの提携の話し合い、その中で、どのような提案を堀江さんが出してくるのか、これが注目される所。まあ、最初から、全部の手の内をさらすとは思えませんが、インパクトは必要、この話し合いが、次の司法判断の行方を左右する可能性もあり、目が離せないのですね。