光ファイバを使ったIP網に地上波デジタル放送を流そうという計画が伝えられています。これは、地方への普及が難しく、2010をメドとしていたアナログ放送停波が困難な状況となったためです。しかし、おかしな話は、ネット経由の地上波デジタル、地域限定で受信可能とするというのですね。
しかし、光ファイバーの普及は田舎に限った話ではなく、都心部でも、技術的には光ファイバーで地上波デジタル放送を流すことは当然可能な話です。つまるところ、地上波デジタル放送、最初から光ファイバー経由でIPで流せば、放送設備も受信機も、不要、だったのですね。費用負担をめぐって大騒ぎの第二東京タワーも不要なら、視聴者のテレビの買い替えも不要。少なくとも、パソコンでテレビを見れば良いし、ネットにつながるテレビを普及させれば、ヘンなチューナもアンテナも不要なのですね。
そこに地域限定、などという余計な制約を入れる。何ゆえにこんなおかしな計画が進むのか? それによって利益を得たものの犯行である、というのが事件の真犯人を推理する場合の鉄則。
つまるところ、ネットですから、日本全国、どころか、世界中で同じ番組を見られるはずです。それを、地上波デジタルの難視聴地域限定でみられるようにする、という話、実に不思議な話ですけど、良く考えたら当たり前。これをやれば放送局は不要なのですね。
結局のところ、真犯人は放送局と放送行政に携わる役人で、彼らの既得権を守るため、巨額の国民の富が無駄に費やされようとしている、と推理するしかありません。これが真実であるなら、道路公団も真っ青のスキャンダルなんですね。
でも、なにぶん、マスコミが共犯ですから、この犯行、テレビは当然伝えないし、系列にテレビ局を持つ報道各社も伝えない。日本のジャーナリズム、腐りきっています。
ま、地上波デジタル不要論、一度だけテレビが伝えたことがあります。それは、ニッポン放送買収騒ぎの折のホリエモンの発言でして、「デジタル放送についてどう思いますか」という趣旨の(不用意な?)質問に対して、「あんなもの不要です。全部ネットで流せば良い」と堀江社長は応えたのですね。今にして思えば、これが当たり前の話でして、そういった認識があったからこそ、ライブドアがフジテレビに食指を伸ばした、という背景もあったのでしょう。
もっとも現在、フジテレビと和解したホリエモンですから、同じ証言が得られるとは限らない。あの和解、ひょっとして、口封じ、だったのかも、、、などと不穏なことも考えてしまう。
とはいえ、ネットの放送、地上波デジタルが制約を加えたところで、新規参入は自由。電波なし、ネットで流す放送局、既存の会社に比べてローコストで参入できるのですね。
となりますと、ここでの既得権防衛、意味のあるのは目先だけ。既存の放送局、無駄な投資という結果にも終わりかねず、自ら傷を大きくする行為かも知れません。
無謬主義は官僚社会に普遍的ですけど、変化を常に捉えて、計画を見直すことも重要。この問題、先に行けば行くほど損失が増えます。早い時期に計画の見直しを行うこと、これが今の関係者の取るべきベストの道ではないでしょうか。