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「犯罪?」法学者は目を吊り上げた

私が興味を持っている分野の1つに、計算機に絡む犯罪があります。私の書棚を覗いた人は、その手の本がずらりと並んでいることに、びっくりするでしょう。「こいつ、なに企んでんのや」なんてね。

ドン・B・パーカーの「コンピュータ犯罪」(秀潤社 1977)は、この手の本としては極めて初期のものです。この序章に、パーカーがスタンフォードで研究計画書を書いたとき、テーマ名に文句が付いたと書かれています。

何が犯罪なりやを決めようとしたりして、一体どういうつもりなんだ?結局、この問題に取り組む資格のある人は世界中に六人しかいないんだよ

それで、テーマ名を「コンピュータ乱用」にしたってんですけど、これは、半分ジョークでしょう。

しかし、学問において「用語」が非常に重要な位置にあることは間違いありません。ある言葉がどういう意味であるか、という議論だけでも、立派な論文になったりします。博物学は、自然界に存在する様々なものを分類し、命名する学問ですが、これもある意味、「用語の学」ですね。

この日記も、一応の学術性を目指しており、用語の定義には気を使っています。しかし、言葉には様々な意味合いがあるし、特に、分野が異なると使われ方が変わります。この日記のテーマのように、自然科学から哲学、社会学、文化人類学まで包含しようとすると、用語の意味を良く吟味しなければいけません。

まあ、パーカーの「乱用」みたいに、これまで使われていない言葉を探し出して定義し直すってのも一つの方法ですが、あまりこれをやってしまうと、文章の意味が理解できなくなります。

以下、これまでに扱った用語の、この日記中での意味・定義をあげておきましょう。

社会:互いに持続的な関係を持つ(コミュニケートする)人々の集まり。
文化:社会の習得結果、常識。それらが表現されたものを含む。
真理:広く認められた仮説。
仮説:現象をシンプルに記述するもの。

もちろんこれらは仮の定義であって、今後の議論で、少しずつ変えていくつもりです。